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68 お気に入りの音楽の話とちょっとだけ新緑フォト [世間話 イベント]

 随筆形式で今回は失礼する。「お気に入り」とタイトルに入れているので、私の恣意的な方向性で話が進められる。ありがたい。
 きっとタイトルからは、マッカートニーの話とお思いの方もおられるだろうが、それは「久しぶりのポップス」という記事項目にてやっていることなので、今回は違う。正確には私のお気に入りの楽曲の音ということだ。換言すると、録音状態、弾き方や歌い方の癖、楽器などである。ポピュラー、ジャズ、クラッシック、ボサノヴァ、カントリー、シャンソン、イージーリスニング、スクリーン・ミュージックと気になる曲をただ並べていくので、どうぞご覧あれ。ご存じの曲は幾つあるかな? 私と話し合いそうかな?(別に私と音楽のはなしなどしたくない、と言う方、言葉のアヤですのでお許しを。単に謳い文句です・笑)
 コメントはすべて個人的感想で実証性、客観性はないのであしからず。世の中一般の理屈では選んでいない。音楽をジャンル、年代で区別することはなく、聴いてきて、くつろげたり、楽しめたり、感動できれば、それで良いというのが基本方針だ。自然体、自由である。従って、ごっちゃまぜで申し訳ない。



★ペトラ・クラーク「恋のダウンタウン」かなりの楽器数の跳ね返りのある音で、夜に臨場感が出る曲
★加羽沢さん高島さん演奏「愛の挨拶」弦の音が絞り出すような感じが好き
★マーニ・ニクソン「踊り明かそう」バックの楽器達がこれぞミュージカルって感じが好き
★加羽沢さん演奏「花のワルツ」アレンジもピアノの音の高さもテンポもちょうど私好み
★ジュディ・ガーランド「虹の彼方に」穏やかな気持ちになる
★シルヴィ・バルタン「あなたのとりこ」楽器の響きがさわやかと、フランス語がお洒落
★ドリス・デイ「ケセラセラ」楽器の音が豊かなのと、リズムが優雅なところ
★クリスティン・チェノウェス「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」何もかもOK
★ギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」リズムも声質も鈍い音のピアノもいい
★加藤知子さん演奏「朝の歌」弓からひねり出す音の乾いた感じがいい
★オードリー・ヘップバーン「ムーンリバー」映画でギター弾く姿よかった
★ヴィンス・ガラルディ「ライナス&ルーシー」トリオの特徴を楽器面で活かしている曲
★仲道さん演奏『ベルガマスク組曲』特に「前奏曲」、ピアノの前面に出てる音がすき
★中村紘子さん演奏「ラ・カンパネラ」高音カタカタ感とはっきりした主旋律の調和がすき
★レイ・ブライアント「デローネのディレンマ」私の中のジャズピアノの音の基準はこの曲
★クリスティン・チェノウェス「ウィル・アイ・エバー・テル・ユー」女性らしい声と歌唱
★アストラド・ジルベルト「フライ・トゥー・ザ・ムーン」夜の雰囲気でフュージョン風
★ダニエル・ビダル「オー・シャンゼリゼ」声の安定した1970年以降の取り直し盤が好き
★メリー・ホプキン「悲しき天使」アコースティックの音が、ウェールズ魂に聞こえるヴォーカルと合う。
★ビージーズ「メロディ・フェア」コーラスがきれい
★アリソン・クラウス「ペーパー・エアープレーン」ブルーグラスに静けさもありと感じた
★エンヤ「オリノコフロー」ケルト民族と自然と荘厳さを感じる
★シンディー・ローパー「タイム・アフター・タイム」メロディーが好き
★アリソン・クラウス「ナウ・ザット・アイブ・ファウンド・ユー」アコーステックの珠玉
★小山さん演奏「雨だれ」盛り上がりの響き、独特の正確さがいい
★サイモンとガーファンクル「四月になれば彼女は」親友との大切な思い出の曲
★アート・ペッパー「チュニジアの夜」ジャズのお手本。
★オリビア・ニュートン・ジョン「そよ風の誘惑」かけるとすぐ眠れる曲の一つ
★ジョン・ウイリアムズ「E.T.のテーマ」基本中の基本
★カーペンターズ「トップ・オブ・ザ・ワールド」楽しくなる
★ビーチボーイズ「スループ・ジョン・B」きれいな音作りが良い(グロッケンスピエル?)
★マドンナ「ラ・イスラ・ボニータ」スパニッシュギターのソロが南欧っぽい
★R・クレーダーマン「渚のアデリーヌ」ピアノ曲の中ではトップの部類で好きな曲
★アストラド・ジルベルト「イパネマの娘」私のボサノヴァって、ここからだったなあ
★ポール・モーリア「恋は水色」ドボルザークとモーリア、ウイリアムスが私のオーケストラ曲の基準
★ジョン・フィリップ・スーザ「自由の鐘」何度聞いても勇気をいただける良い曲
★シエラ・ハル「ベスト・バイ」陽気さが伝わってくるのと楽器の渋い音がいい

ほんの一部だが今回はこんなもんで(今回って、次回は無いと思うけど・笑)。





少しだけ植物の写真を出したい。青空とマッチするきみどりの鮮やかな新緑の木々や藤。この時期、きみどりの木々と香りが大好きである。みどりが我々を呼んでる感じがする。上から①青空とイロハモミジ②青空とエノキ③青空と藤の花④ツツジ⑤フレンチラベンダーとミツバチ。晩春初夏を感じる花や木々である。ではまた。

おまけ
今回の撮影のお供は「あこがれ」ジョージ・ウィンストンのピアノ曲でした。若葉にぴったりと自分では思っている(本当の曲のイメージは知らない)。

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67 ちょっとだけliberal artsっぽいはなし 2 [リベラルアーツっぽい話]

 四月、新年度、一回目は格調高く参ろう(私レベル、低レベルでの格調の高さだ・笑)。
 その昔十七世紀や十八世紀の頃、ヨーロッパの富裕層の人たちは成人と見なされるために、ある一定の年齢になるとローマなどの芸術に触れる旅行に出されたという。とりわけ男の子は、社交界にデビューするためにこの儀式がとても重要だった。
 訪問地は、おおよそイタリア、ローマやフィレンツェなどの美術館がある町が多かったようである。これらの町は、現代の私たちからすれば、町全体が美術館のようなものなのだが……。
 そんな文化の中心地だったイタリアへと行かされる貴族諸侯の利発な子息、子女たち(特に子息)は、それなりに立派な馬車を用意されることもあり、一路ローマへ向かったという。この目的はなにも芸術鑑賞が最重要というわけではなく、そこで得た知識を武器にして社交界で名声や信用を得るための話題作りと述べる歴史書もある。中には旅の途中にスリやチンピラに扮した父親の部下が、その子女にやっつけられて、彼らが自信を持つための演出ハプニングを行ったなんて記録も残っている。過保護なのか、サプライズなのか、座興なのかよくわからない行為である。
 ダヴィンチやミケランジェロ、ボッティチェリなどの様々な芸術作品を学ぶことで、社交界にデビューした際に話題について行けるように(見くびられないように)、教養を高めておくのが名目上の目的だったという。とりわけ遠方にあったイギリスからの旅行は大変なものだったと伝えられている。それは大がかりな旅支度になったろう。
 馬車に限って当時を推測してみよう。ホームズのテレビドラマの台詞から察すると、馬車の御者席が区切られて、四輪、二頭や四頭立ての馬車ならとても高貴な人物と推測していたので、お金持ちほど頑丈な馬車で旅したのかも知れない(グラナダテレビの『シャーロックホームズの冒険』「ボヘミアの醜態」で依頼客が閣下クラス以上と見抜いた時の理由である)。いまならロールスロイスなんかにあたるのだろうか?
 現在は一部の知識人だけが芸術を愛する時代ではないので、多くの人たちが名作や名画とよばれる作品を自由に堪能できる。おかげで庶民の私でも名画と呼ばれる数々の絵画を自分の目で見ることも出来た。「アイスクリーム」の歌と同様に、王子や王女でなくとも絵画を見て、アイスクリームを召し上がるのだ(笑)。
 時代に関係なく、文学的な画家というのをリベラルアーツの立場からご紹介しようと思って、今回はこんな始まりかたにした。いつになくまじめな内容で失礼する(ちょっと文学部出身っぽいでしょう? 笑)。
 イギリスのバロック時代の画家にウイリアム・ホガース(William Hogarth 1697-1764)という人物がいる。時代はバロックだが様式的にはバロックとは言いがたい(と個人的には思っている)。一般にはこの画家は風刺画家といわれているが、あまり類を見ないユニークな作品を残している。マスコミ的なドーミエ(1808-1879)などとは少し質が違い、文学っぽいのである。絵の雰囲気でいうとロココ様式のフラゴナールに似ていると私個人は勝手に思い込んでいる(正解の解答ではなく、あくまで個人的見解)。版画の方は、まあ銅版画のおきまりのパターンである。
 前述した時代のイギリスの良家の子女を想像してみよう。そんな高貴な家柄の息子の元に、時代の寵児のような商いをしていた商人の娘が嫁ぐという興味深い作品を残している。『当世風の結婚』という作品だ。
 彼の連作作品は紙芝居のように物語があるため、しばしば文学的であると紹介される。教訓オチしているところまで古典から中世の文学的だ。これのほかにも『放蕩一代記』や国立西洋美術館にも一部所蔵されている『残酷の四段』などもある。なぜこれを美術館紹介の別アカウントの自分のブログではなく、こちらに出したかというと、別アカウントの方は十九世紀の様式論のみを扱っているためだ(唯一の例外はボッティチェリ)。それとおちゃらけて話題に出す程度の知識しかホガースのことを知らないからだ。
 物語としては、没落気味の高貴な貴族の息子と成金商人の娘の政略結婚のなれの果てを描いているという何とも辛口な風刺画である。全六枚は紙芝居形式のように物語り仕立てなので、絵画に疎い人にも興味を持てるものだ。その中でちゃんと絵画の見所であるメタファーもばっちり仕込まれている。結末はお互いに浮気相手を作り、結婚生活は完全に破綻というモラルのない社会へのメッセージがあるとともに、それとは逆のアンチ禁欲主義のメッセージもあるという。最後の六枚目には貴族の新郎はいなくなり、弁護士は処刑、新婦は自殺と、まるでアガサ・クリスティの小説のような結末。ハッピーエンドが好きな私にはちょっと心が痛いエンディングである。気になる人は専門的なものを読んでみよう。
 十七世紀から十八世紀は、まだ十九世紀ほど社会が整っておらず、中世のしきたりが残っていたように感じる時代背景や時代相を読み取れる。科学的見地のテイストがまだ社会に浸透していないのだ。ちなみにホガースの作品は、絵画のものと版画のものがあるので、二度楽しめる。
 イギリスを代表する画家として、ほかのヨーロッパに絵画の分野で遅れをとっていたこの国が追いつくきっかけになった画家である。国民的画家とまでいわれることもある。また『放蕩一代記』の第二場面「新当主の会見式」では、なんとあの音楽家ヘンデルのハープシコード(チェンバロ)を弾く姿がお目にかかれる(『メサイヤ』、『クセルクセス』などを手がけたバロック作曲家です。バッハの好敵手という方もいらっしゃる)。二人は知り合いだったようだ。結構、絵画ファンの間では有名な作品なのだが、一般にはまだまだ浸透していない作品なので、もし興味がある方は図書館などで見ていただきたい。
 今回はちょっと芸術風の内容で気取ってみた。私程度のご紹介する底の知れたリベラルアーツではあるけれど。そう所詮は書き手が私なので、たいしたことない(笑)。


ウイリアム・ホガース 『当世風の結婚』
http://www.salvastyle.com/menu_rococo/hogarth_marriagea.html

参考資料
夢プロジェクト編『名画謎解きミステリー』河出書房新社 2005年
国立西洋美術館サイト http://collection.nmwa.go.jp/G.1994-0012.html

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66 私流湘南の花便り 4 [私流湘南の花便り]

 今年は花曇りにならなかったおかげでソメイヨシノが長く持ちこたえている。花の年と言えるのかも知れない。この暖かな春爛漫の時期になると、さほど歌謡曲を聴かなかった私の中で、一番歌謡曲を聴いていた時代の三曲を思い出す。「アメリカン・フィーリング」、「WAKE UP」、「ビューティフルネーム」である。自分が子供、小学生だった頃の心に残るヒットソングだ。当時はおそらく、さわやかさや、優しさや、いたわり、前向きさを持った時代、世相だったのだろう。すべて、今聞いても心が洗われる思いの歌詞だ。
 さて今回は旬なので、サクラについての特徴を見ていきたい。専門家ではないので、生態まではわからないが、花の特徴をざっくばらんに見ていきたい。おおざっぱに挙げると、私自身は、こんな風にサクラの品種を見分けている。

①オオシマザクラ
花弁が白色近く、若葉色の葉が一緒に広がってくる咲き方。白と緑のコントラストが美しい。写真は長久保植物園のもの。
②ヤマザクラ
花弁は薄桃色、褐色からオレンジの紅葉色の葉が一緒に広がる咲き方。山の斜面などに浮かび上がるように白みがかったピンクの水彩画を思わせるように咲く。こちらも長久保植物園のもの。
③ヒカンザクラ・カンヒザクラ
紅色で花のみで先行して開花する。ひっそりとしおらしく、花弁はうつむいて咲く。こちらも長久保植物園のもの。
④ソメイヨシノ
今が盛りの薄桃色の花が先行して開花し、花が終わると葉が伸び始める。言わずと知れたお花見のサクラで、夜桜を見に名所に行くと、なぜか見知らぬ人、それも結構できあがったおじさんなどからお酒をすすめられることが多い(笑)。こちらも長久保植物園のもの。
⑤カワヅザクラ
サクラの花のトップバッター。まだ寒い時期から美しい薄桃色の花をつける。春を探しに旅に出たくなる不思議な花。旅行会社のパンフレットで口火を切る、消費を促す有り難い花(笑)。こちらは江ノ島植物園前のもの。
⑥アンズ
サクラの親戚のような木。実際花はそっくりである。個人的にはしべはウメ、花弁はサクラといった感じにも見える。今回はおまけとしてアップしておいた。

 以前にも触れたが、浅間神社や子安神社(伊勢神宮の内宮の中にもあります)の女神であるコノハナノサクヤヒメノミコトが化身として知られる。ニニギノミコトの妻で、海幸、山幸の母上君である。ちなみにコノハナノサクヤヒメは、宗像三女神と並ぶ絶世の美女と誉れ高き女神である。富士山の化身でもあるため浅間神社(富士山をまつる神社)のご祭神である。
 宗像三女神とはタゴリヒメノミコト、タギツヒメノミコト、イチキシマヒメノミコトのことであり、弁天さまとして祭られることの多い美人三姉妹の女神である(どの女神が弁天さまとして祭られるかは、それぞれの神社で異なるようです)。神奈川では江島神社のご祭神として有名だ。東京オリンピックは江ノ島でヨットレースがあるので、世界各国の多くの人たちがこの美人女神三姉妹とお会いできるのではないだろうか(笑)。
 さあ、春爛漫である。気分も晴れやかにジョギングも再開(軽いやつだけど)。散歩も再開。そして東京や横浜あたりのホールにピアノの音でも聴きに行くことにしよう。ピアノの生の音が恋しくなってきた。プレイガイドにチラシでもあさりにお邪魔しよう。

 では今回はぶらぶらと撮りためたサクラの花を品種ごとにご覧いただこう。


①オオシマザクラ
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②ヤマザクラ
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③ヒカンザクラ・カンヒザクラ
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④ソメイヨシノ
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⑤カワヅザクラ
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⑥アンズ
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65 帰ってきた写真ギャラリーめぐり-フォト・ヨコハマと横浜市民ギャラリー- [帰ってきた写真ギャラリーめぐり]

 横浜には横浜市民ギャラリーという美術館の類いがある。横浜美術館とは別で、それよりも、より一般的な市民に密着したギャラリーだ。横浜美術館は国や学術、芸術レベルまでも網羅する高等研究、収集機関の役割が大きい。こちらは横浜美術館では目の届かない、小さな目線で、見落としてはならない地域の文化遺産や歴史芸術文化の収集物を所蔵している。目線を民衆に合わせてくれる、背伸びをしないで美術を味わえる社会教育施設である。学童や中高生徒、大学の学生などの作品も展示してくれる、見た目も立派な美術館である。伊勢山皇大神宮さんの斜め向かいなので、横浜や神奈川の人なら、一度は前を通ったという人も多いのではないだろうか。
 CP+が終わっても、その時期に合わせて、それよりも少し長めに行うイベント、写真月間のフォト・ヨコハマはまだ続く。以前にもご紹介しているのでここで改めて紹介するまでもない。……が、手短に言うと、横浜の町全体がフォトギャラリーとなって写真展示を行う横浜の町ぐるみ全体の写真フェス。そう言ってしまっても、あながち間違いにはならないくらいだ。みなとみらいや関内、桜木町周辺の美術館やギャラリー、博物館などがこぞって写真展示を行うことになっている。それぞれ会場には報道、芸術、ポートレイト、ネイチャー、歴史的古写真などジャンルも多彩に展示される。
 そんなフォト・ヨコハマの小さなタイアップの一環として、市民ギャラリーが所蔵する絵画展・写真展の「写真と素描でたどる横浜」という展示会がこのギャラリーで行われていた。期間は二〇一八年三月二日から十八日の開催期間だった。
 ただし今回はこの絵画・写真展の単なるPRをしたいわけではなく、この展示会の解説を行う「鑑賞サポーター」というユニークな取り組み、システムをご紹介しようと思う。
 外側から眺めているだけでは、実感もないので、今回は実体験として、実際に鑑賞サポーターとしてギャラリーの作品解説にも携わって参加させていただいた。
 この鑑賞サポーターになるには特に資格はない。公募チラシに明記してあるのは「13歳以上で本活動に興味と意欲のある方」ということと、「事前研修に参加可能な方」ということだ。
 一月から始まるこの研修では、最終的におおよそ十三名が参加した。第一回目、最初の会合では、各自の自己紹介と、展示会の来館者の前で自分が解説する作品を選ぶところから始まる。いくつかの候補作品をみなで確認して、各自の希望を絞りながら選んでいく。各々が調べられそうな作品と希望が合致すれば終了である。多少の妥協があってもいい。そうして私に割り当てられたのが、奥村泰宏という写真家の作品。<米軍家族 伊勢佐木町一丁目>という1950年の作品だった。
 さほど作品に対しての好みなど、こだわりはなかったので、素直に「自分のはこれか」というレベルの割り当てだった。後は、資料などもおおよそはスタッフの方々が用意してくれている。それで足りない部分は自分で補ってもいいし、用意されたもので何とか間に合わせる人もいる。それぞれの個人的な知識、キャパシティや機転、時間の有無等の様々な事情の違いもあるので、この辺りはなにがベスト、ベターとは申し上げられない。皆が出来る範囲でいいということなのだろう。
 主題対象も決まり、資料もそろった人からまずは展示会場に置いて配る「作品紹介シート」、要はレジュメや要約の類の印刷物の原稿作成に入る。こちらは印刷物ゆえ、文字数指定の短文である。それが終わると、実際に作品の前で説明する発表原稿の作成である。発表の所用時間を想定して、それに相当する文字数を考慮しながらの原稿作りとなる。
 これらはみな作業に慣れた担当スタッフが相談、校正や確認などを事前に行ってくれるので、それほど難しく考えることはない。もちろん持ち帰りの作業の人もいる。参加者の中には前年の参加者もおられて、「主婦でもなんとかできちゃいました」なんて皆に心強い追い風を送ってくれる人もいた。
 持ち時間はひとり五分と、一般の人にも負担にならない時間と学習量である。また今回のテーマなら横浜が好きな人には、内容勝負で少し自信が持てるかもしれない。これらの一連の作業を、ワークショップの教場を使って一通りこなす。最後の回のミーティングで、実際の時間などを計りながら発表の予行練習をする。あとは展示会当日の本番というわけだ。
 私の所感としては、とても親切な講座という印象だ。ここでなぜ私が講座という言葉を使うかというと、一人ひとりをしっかりとサポートして、毎回毎回、原稿の完成まで面倒を見てくれるからだ。見る角度を変えれば、社会に出ると、日常触れることの少ない初歩的な教養分野の文章や調べものを教えてくれる講座とも見える。しかも受講料などは一切かからない。割と少額の五百円や千円程度の参加料や受講料を負担してもらう講座やイベントは、公共施設、社会教育施設には結構ある。完全に無料で、ここまで手厚く補助してくれるというところに、このイベントの意義があると個人的には思う。タブレット端末を使う環境を持っていた私には、PDF原稿に赤入れして返信していただいた。これには大変感動したことも、私個人の見解として付け足しておきたい。もちろん紙の原稿の方には、それに合った確認作業をしてくれているはずである。
 こうして作り上げた原稿で三月十日に私は作品鑑賞の案内を、来館者の前、無事に発表を果たせた。形式はギャラリーツアーで、エントランスに集合した来館者をスタッフが誘導しながら、持ち場の作品の前で皆が順に発表していくものだった。
 もしご興味をお持ちの方がいらっしゃれば、定期的に行っている制度のようなので、横浜市民ギャラリーにおたずねいただきたい。スタッフは皆親切で、気を遣って接してくれる方々だった。私が参加した今回の構成メンバーは、大学生の方からリタイア組のご年配の方まで多種多様なお立場で、六対四、ないし七対三の比で若干女性が多い気がした。つまり男性の参加者も結構いらっしゃると言うことだ。
 さてようやく写真展発表の概要である。「写真と素描でたどる横浜」の会期も終了して、貴重な横浜の美術平面作品の展示を満喫できた。奥村泰宏、初めて知った写真家だったが、良い味を出す終戦直後のモノクロ作品をたくさん残している。もし見逃したという方のために写真集を数冊ご紹介しておくので、興味のある方は図書館などで探してみてはいかがだろう。会場に置いていたリーフレットの私の拙い解説文もこれらを一部参考にしている。

参考資料
奥村・常盤共著 『戦後五十年 横浜再現』 1996年 平凡社
奥村泰宏 『敗戦の哀歌』 昭和56年 有隣堂

 おまけとして、同時期開催の本年のCP+の画像も少しアップしておくので、何かの参考にしていただきたい。ちなみに今回のCP+は、私は平日参加だったが、アネックスの中古カメラコーナーが大盛況で驚かされた。ああいうイベントは百貨店だけのお家芸かと思ったが、なんのなんの、メーカーのアウトレットのコーナーなどは人だかりで、私の入る隙間はなかった(笑)。
 ギャラリーを楽しむ方法や生涯学習を楽しむ方法は自分なりに考えて、探してみるといろいろなものが見えてくる。また楽しい学習活動や鑑賞活動に出会えることを生活の糧に日々をがんばろう。

※展覧会会期終了のため一部写真展のPR本文の文章を差し替えました。(2018/03/20)


横浜市民ギャラリー  http://ycag.yafjp.org/


横浜市民ギャラリー 鑑賞サポーター応募チラシ
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横浜市民ギャラリー 「写真と素描でたどる横浜」作品紹介シート
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CP+ キヤノンブース
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CP+ ソニーブース
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CP+ オリンパスブース
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64 私流湘南の花便り 3 [私流湘南の花便り]

 寒暖を繰り返し春らしくなってきた昨今だが、気を抜くとすぐに寒い日もぶり返す。侮れない季節である。
 今回は小田急江ノ島線の本鵠沼駅近くにある長久保公園都市緑化植物園へと出向いた。引地川の川辺にある小さな植物園である。この植物園はそれほど有名な植物園ではない。大和市の泉の森や大船のフラワーセンターという大規模な自然植物園が近くにあるからかもしれない。埋もれてしまいがちだ。しかしこの植物園はある意味穴場だ。
 催し物、学習講座、園内の展示内容、どれをとっても一般レベルをクリアしている本物を感じられる植物園である。社会教育施設としての機能もしっかり私の目にはクリアしていると感じた。
 少し施設をご紹介しよう。花のプロムナードと呼ばれる温室兼事務所管理棟のある花壇庭園エリア、その横の河川寄りに迷路のような池垣見本園(本当に子供が迷路遊びを楽しんでいる)、渓流広場から睡蓮池は鳥撮りのフォトグラファーが三脚を並べている(結構野鳥が多いことでも知られている)。藤棚から菖蒲池は、ボードウォークを歩いて初夏五月過ぎに花盛りとなる場所だ。
 今の時期に花が見られるのが、樹木見本園。梅やカンヒサクラ、ボケなどが咲いている。あと少しで桜が園内をうすいピンクにしてくれる。ほかにバラ園やハーブ園などもあり、意外に花好きの集い場になっている。
 管理棟で、今回は雪割草の展示があったので、それも撮っておいた。高山植物のため、なかなかお目にかかれない花だ。それを園芸品種にして栽培している方々がいるらしい。桜草の仲間だが、桜草のように一面を覆う美しさではなく、岩場でひっそりと気品のある気高さを持った花である。こういう花の類いにも、私の好みのベクトルは向いている。
 歌の影響からかエーデルワイスが高山の気品ある植物のようなイメージが世間では浸透している。私には見た目、エーデルワイスの花はイメージとして翁草のいとこくらいに感じている(品種的に近いのかどうかは知らない)。間違いなく白くて美しい花ではある。しかし高山の愛らしい気品のある花と言えば、雪割草というのが私のイメージである。
 樹木見本園の奥には 展望広場という築山があり、ここのヤマザクラが割とお気に入りである。ほかにも低木のツツジ類などが季節になると良い香りを放つ。この展望台からは江ノ島とシーキャンドルも見える。まさに湘南に来たという実感ができる場所だ。
 この植物園の特筆すべきことは、鑑賞者や利用者に対して、学習面でとてもまじめであり、親切であるということだ。具体的には、名称板、案内板の設置数が群を抜いて多い。たとえ同じ品種であっても、場所が微妙にずれているときはちゃんとそれぞれに名称板が表示してある。これなら植物に疎い人でも毎日、この植物園を散歩しているだけで町の「植物博士」になれてしまう。まじめに利用者に植物の種類を教えてあげたいという気持ちが見てとれる。生涯学習活動の応援になる植物園である。
 ここまで書いていて、文章を見直すと、教育施設などへの提出レポートの文章の調子になっている。ちょっだけ柔らかい、いつもの文章に戻そう(だめだめな意味のない馬鹿まじめで融通の利かない、世間ずれのわたしそのものになっている・笑)。
 少しやわらかい話に変えよう。この近くに富士見橋という橋があり、その橋のある通りに湘南Tサイトという新しい町(街区)ができている。以前は大手家電メーカーのテレビ工場があった場所だ。カメラのルミックスや音響のテクニクスといったブランド名を持つ会社だ(ここまで言えば一目瞭然だがあえて伏せてみた・笑)。工場が稼働していた頃は大きな看板もあったので、ご存じの方も多いだろう。湘南国道134号線から保土ケ谷、横浜方面に向かうときは、この道がメインだ。昔は大きな看板を持つその工場がランドマークだった。
 このTサイトの中のショッピングモールにはカメラ店(きたむらさん)やツタヤ書店、そのほか雑貨店など趣味の店舗も多い。店舗を含めた未来指向の一戸建てニュータウンを形成している。小田急の駅とは反対の方向になってしまうが、辻堂駅までハイキングがてら歩くつもりならいい運動になる。通り沿いにはヨークマートやファストフードも多く、一休みの場所にも困らない。辻堂方面に抜けてしまえば、辻堂駅直結の湘南テラスモールという巨大なショッピングセンターもあり、おしゃれな町に大満足である。あとは東海道線で帰宅の途につけばオーケーだ。
 この植物園、陽だまりの園だった。子供たちが自由に遊び、親はそれを見ながらくつろぐ。老人たちは集い、互いの無事と故障箇所を笑顔で慰め合う。久々の観光地ではない植物園。これはこれで優しさと愛情、幸せのお裾分けをしてもらったような気分で園内散策を楽しめた。
 幼少期に祖父に山遊びを教えてもらった頃に、よく見かけた木の花、梅やヤマザクラは早春の里の風景を思い出させてくれる。
 その風景は季節を通して、山菜採り、キノコ採り、ユリ根ほり、小柴がりをして、カブトムシ、カミキリムシ、クワガタムシ、サワガニ、ドジョウ、メダカと戯れることができた。みんな楽しいイベントで、そんな山の仲間たちがいつもいた(笑)。
 里山も良いが、今のこのあたりの子供たちが自然を愛でるなら歩きやすい、アメニティの整ったこの植物園もおすすめである。植物園なので、採集はさすがにできないが、木々の香りや水の香り、風を味わえる。都市部にありながら、自然と対話ができる。素敵なことであり、大事なことである。植物、みどり、山河、海。これらを身近に感じることができる湘南の植物園、自然に感謝である。
 もし江ノ島観光に行くことがあれば、小田急線の片瀬江ノ島駅の二つ手前の駅、本鵠沼で途中下車してみるのもありだ。特に落ち着いてのんびりしたい人には最適である。それでは、また。ご機嫌よう。


梅 
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雪割草
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サンシュウ
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ボケ
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江ノ島遠景
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長久保都市緑化植物園 
http://nagakubo-kouen.jp/

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63 私流湘南の花便り 2 [私流湘南の花便り]

 春の足音がようやく聞こえたかな? という昨今、いかがお過ごしだろう。江ノ島や相模湾の近辺の町はもう少しするとシラス漁が解禁になる。すると解凍ものでない、獲れたての生しらすのどんぶりを販売するお店が多くなる。
 今回はなぜかダニエル・ビダルやシルヴィ・バルタン、フランス・ギャル、ミッシェッル・ポルナレフを聴きながら撮影をしていた。ハードでヘビーなロック以外はほぼなんでも聴いているノンカテ、ほぼこだわりのない人間である(あと最近の音楽にはうとい)。
 シャンソンとフレンチ・ポップを勝手に春らしいと思っている。しかもここに挙げるのは、日本におけるフレンチ・ポップの黄金期のもので、「あなたのとりこ」、「オー・シャンゼリゼ」、「夢見るシャンソン人形」などだ。詳しくは知らないが、きっとこの頃は私が生まれていない時代のものも含まれているのだろう(赤子の頃のものでも記憶はほとんどないはず)。でもどれもこれも映画やコマーシャルフィルムなどで耳にしたことのあるものばかりだ。ちなみに「あなたのとりこ」は実質上AFのEOS一号機、一眼レフカメラEOS650のCFソング(1987年のリバイバル起用)。起用タレントは写真家のビクトリア・ブリナー。
 1960年前後、まだ庶民の海外渡航が一般的でなかった時代、ユーロポップや洋楽でしか、一般の人は欧米文化に触れる機会がなかった時代なのかもしれない。それにしてもフランス語の歌曲が日本のヒットチャートに入っていた時代があったなんてうらやましい限りだ。自分から積極的に探さないと、今はフランスやイタリア、ドイツのポップスなんて、手にすることはあり得ない時代だ。
 このあたりのことは『オー・シャンゼリゼ』というアルバムの解説書に「今日ほど英米ポップス一辺倒ではなく、シャンソンやフレンチ・ポップスと呼ばれるジャンルの歌手や曲がヒット・チャートを賑わせている時代だった(ダニエル・ビダル『オー・シャンゼリゼ』VDP-1316解説・小林俊彦)」と書いている。
 そしてなにより、この頃の曲はメロディーがいいし、明るくていい。元気がでる。私の世代にどんぴしゃな洋楽の歌姫は80ー90年代のニュートンジョンやイーストン、アイリーン・キャラ、エンヤなどだけど、ここいらの1960年ごろのフレンチ・ポップを筆頭に、80年代歌姫らの諸先輩方の曲もいいものだ。
 ビダルさんの「♪オソレ、スラプリ、アミディ、ウアミニー、イリアトゥスケ、ブブレ、オ、シャンゼリゼ」と歌う声はいい声だ(フランス語、あまりわからないけど、私にはこう聞こえる・笑)。
 同じビダルさんの『シャンソンのすべて』(VDP-1163)という後年の取り直しアルバムはシャンソン初心者やにわかリスナーである私にはわかりやすくていい。声もフランス語もはっきりしている(歌詞の意味はわかりません・笑)。時代的に仕方ないのだが、生の楽器をもう少し増やして録音していたらもっと良いものになった。こんないいヴォーカルなのだから。
 さてシャンゼリゼにも気持ちでは負けない、お土産物なら何でも揃う、活気のある江ノ島神社の参道を抜けてエスカーを上がる。季節的には、まだ花の季節ではない。だが河津桜は満開、しかも青空でとれたことがすばらしい。
 河津桜はヒカンザクラと大島桜系の自然交配種らしいので、ソメイヨシノよりも咲く時期も早く、咲く期間も長いので被写体としては撮影日、天気を選べる利点がある。江ノ島の植物園入り口にある三本は今が旬で、満開を迎えている。大風がなければしばらくは楽しめそうである。撮影日は、人出も多く暖かい午後、いい行楽日和となった。
 青空はいい。……とうれしがるのもつかの間、マクロレンズの調子がおかしい。モーターが駆動しない。ピントが動かない。あれこれ試したが、どうも駆動部分の故障とわかった。長年カメラを扱うとどこの不調かで、おおよそ勘で悪い場所はわかる(エンジニアじゃないのではずすときは、スカッとはずすけど)。仕方なく、手持ちでのマニュアルフォーカス撮影に方法を変えて対応した。何年ぶりだろう。フォーカスリングのマニュアルピント。ピントの山とフォーカスリングの勘は鈍っていない。こういうときにガラスペンタプリズムのファインダーはありがたい。直感でカメラを扱える。不幸中の幸いでフォーカスエイドも作動する。これなら撮れると感じて、撮影継続。残りの河津桜後半とカンシロギク(ノースポール)とデイジーやナデシコもフォーカスリングのピント合わせでの撮影になった。今回は河津桜三枚と園芸品種の花二枚をアップしておく。
 デジタルはこのような緊急の時でも、ISO感度を上げておけば高速シャッターを切れるのでフィルム時代よりは、トラブルに対処しやすい。でも「とほほ」な撮影日となった。早めにお財布に優しいマクロレンズを探さないと、春の花に間に合わなくなる。ある意味、早いこの時期でよかったとも考えられる。
 何でも揃うと歌詞にあるシャンゼリゼには行けないけど、ビック、ヨドバシ、キタムラ、マップ、フジヤとどこに行こう。マクロがないと撮影ができない。ありがたいことにCP+が近い(関係ないけど、今年はフランスのカメラが展示される)。そこで各メーカーのレンズを試し撮りさせてもらえそうだ。ちなみに、モーター故障と分解作業が絡む修理は、たぶん、新品、中古、別のものを買った方が安くつくのも何度も経験済みである。お店で一応尋ねて、それからにしよう。
 花の案内がしばらくアップされなかったら、マクロレンズの件が難航しているのだなと察して、そっと違う話題で書かれているこのブログを読んでいただければ幸いである(笑)。

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すべて手動ピントだが、ヤマははずさずに撮影できた。ファインダー倍率と視野率、ガラスペンタプリズムへのこだわりは、花の撮影をまじめにやる人にとっては大切だ。今回のようなもしもの時に機材に助けられる。



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62 自然と山野草 2 [自然と山野草]

 今回はシンセサイザーの話と山野草の話のどちらにしようかと迷っていた。前回がポピュラーミュージックの話で、音楽の話が二度連続になるのもどうかと思い、メインは山野草にした。
 かつて「18 自然と山野草」という記事において、山野草には紫色の花が多いというお話をしたことがある。もちろん個人的な感想だし、便宜上の振り分けに過ぎない。ただ、その個人的な感想をもうひと加えするなら、早春や秋の花には黄色の花が多い。
 まずは最初の紫色の花である。私のよく出会う花では、ミヤマオダマキ、タチツボスミレ、ハマエンドウなどがある。また湿性花園でよく出会ったのがイワシャジンである。ツリガネニンジンの仲間で、養分の少ない砂礫地でも、湿度のある沢辺と苔むした小さな木の葉だまりの上で根をはるような植物だという。
 一方の黄色の花は、早春だとキンポウゲやフクジュソウやリュウキンカなどもある。水辺に目をやればコウホネなども黄色の花である。数年前は寒い中でも、こういった花々を求めて、箱根の山、とりわけ湿性花園などに撮影に行った。三月の二十日前後が開園日なので、野焼きの跡が残る仙石原を眺めながら撮影していた。
 この時期は重ねて、ミズバショウや運がよければザゼンソウなども撮影できる。品種的にはおもしろいが、ザゼンソウは美的な部分ではたいして写真におさめても見栄えのいいものでもない。一回撮れば十分だ。同じ意味で晩春から夏のツチアケビも微妙だった。食べておいしい分だけ、同じ色の似たような形のサツマイモの方が何十倍もありがたい(笑)。
 私の場合、図鑑を作るために撮影しているわけではないので(植物の専門家ではないので)、撮った写真がそこそこ満足のいくものであってほしい。きらきらしていようが、ローキーで劇的なトーンになろうが、植物、特に花が美しくあってほしいというのが基本である。
 もともと人に見せるために撮っているものでもなかったが、生涯学習の学習発表となれば、結果的には人に見られる写真になるし、こっちは学習成果によるシンプルなものを想定していても、見学に来る相手は作品写真を当然と考えていることも多い。結果、どちらにも使えそうなものを撮影し、選定しなければならなかった。
 今年からは江ノ島の植物園と、久々にその周辺の山野の公園をロケーション撮影と考えているため、野草の撮影も復活するかもしれない。ただぶらぶらとマクロレンズをつけたカメラを片手に散歩するやり方が大好きな時間と言える。なにも考えない時間が好きなただのお馬鹿さんである。もちろん、観賞花も素敵だしきれいだ。山手の丘で多くの観賞花を撮らせていただいたこともこの数年の成果である。なのでまた心機一転という感じだ。
 独り身の自由さは自然との対話にもってこいの状況である。梅の季節を皮切りに、野の花を今一度見直すお年頃になったようである。……などと格好つけたことを書いてしまったが、あまり強がりを言わないのも今年の目標である。マイペースでのんびりやることだ。二月の月初めに久々に寝込んだ。寝込んだと言っても、食事や買い物には出なくてはいけないので、一時的に起きてる状況でもあった。数年ぶりに寒さ負けしたようだ。入っていた予定をキャンセルしたのもここ五、六年はなかった。基礎体力の低下を自覚しないで、加減を知らずに無理することが多い。人にはそれぞれの自分に合った限度がある。そんなことを寝ながら自分に言い聞かせていた。もうすっかり養生したが、少々つける薬のない痴れ者の私であった(笑)。単に疲れが出たのだと自分では感じている。言えた義理ではないが(汗)、皆さんも十分、過労や体力低下には気をつけて元気にお過ごし願いたい。
 そんなわけで今回は、かつて数年前に箱根町の観光協会主催フォトコンで入選させていただいた「ミヤマオダマキ」、「カタクリ」、「イワシャジン」の数年分の花の作品をお目にかけての幕引きとしたい。これらの作品も当時観光ポスターやパンフレット、チラシなどで使っていただいた。お役に立てて、うれしい限りだ。
 では、ちょっとだけおまけでシンセサイザーの話を加えておこう。久しぶりにYMOの『ソリッド-ステイト・サヴァイヴァー』と冨田勲の『月の光』を聴いたという話だ。最近は新しいものにあまり走らず、忘れかけている曲を聴くことが多い。何十年ぶりのシンセサイザー音楽二枚である。YMOはインストルメンタル曲の「ライディーン」や「テクノポリス」などが入っているアルバム(マッカートニー作の「デイ・トリッパー」も入っている)。
 ちょっと感動したのは、冨田勲の楽曲が思いのほか新鮮だった。ドビュッシー作曲の「月の光」なのだが、当時はシンセサイザーへの興味しかなく、ドビュッシーが誰なのかなど気にせず聴いていた。改めて聴き直すと、楽曲の雰囲気を損なわず、それ以上のイメージで作られていることに気づかされた。生ピアノのコンサートで馴染んだせいもあるのだろう。思いのほか聴き心地がよい。
 スイングスローの「YUKIYA-KONKON」は童謡の「雪やこんこん」のシンセサイザー曲だがこれもいい雰囲気だと同じように感心してしまう。おじさんになってみると見えてくるものもある(笑)。
 十代の時は、新しさだけで追いかけていたシンセサイザー音楽だ。やれポリフォニックが新しいとか、シーケンサーがすごいとか、ボコーダーは格好いいとか、FM音源、MIDI機能などが興味の対象だった。わかりもしないのに用語だけ並べていたに過ぎない。
 当時のそういったシンセサイザーの機能、メカの性能、それはそれですごいのだが、それらをうまく扱って、駆使して、楽曲を美しく作り上げるアーティストとしての、ミュージシャンとしての才能に興味が移った自分がいる。表現を味わえる年齢になったと感じた。そう、それをおじさんというだけのことだ(なんだこのオチ・笑)。
 さて次回からは「私流湘南の花便り」ということで、江ノ島を撮影の中心にしながらも、小田急や東海道線、横浜市営地下鉄沿線、たまには相鉄沿線にも足を伸ばして行ってみようと思う。こうご期待(誰も期待してないと思うが・笑)。

イワシャジン
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ミヤマオダマキ
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カタクリ
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すべて箱根湿性花園の撮影

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61 久しぶりのポップス2-くつろぎの歌 [世間話 イベント]

 世の中には嗜好的、愛用性のある事物を習慣とするファンとかマニアとか呼ばれる名称がある。誰でもおおよそ一つくらいはそれに当てはまる趣味をお持ちかもしれない。私の場合はそれがマッカートニーである。もし「あなたはショパンのファンですか?」とか「マティスのファンですか?」と問われれば、「答えはNO」である。好きではあるが、ファンやマニアのようにディープさはない。ショパンにいたっては、曲は口ずさめるが顔は思い浮かべられない(私のファンという言葉の持つ意味の範囲。定義の話である)。
 ファンやマニアなどと言うからには、それなりに詳しくないといけない(自分なりにで結構だ)。たとえば映画『抱きしめたい』で登場するビートルマニア。彼らは正真正銘のビートルズのファンでありマニアである。だが私はビートルズが「抱きしめたい」を歌っているときにまだ生まれていない。そしてなによりハリソンやリンゴ・スターの作品についてはほとんど知らない。だからビートルズのファンかと問われれば、いささか懐疑的である。私にとってはマッカートニーのいたビートルズなのだ(同様にナイアガラ、YMOの源流のはっぴいえんどだが、はっぴいえんど自体は詳しく知らない)。
 そう考えれば、私は歴史ファンであり、音楽はソロになってからのマッカートニーファンだと思う。だから「マッカートニーのファンか?」と訊かれれば、「YES」と答えるだろう。昼夜問わず、一日にほぼ一回はマッカートニーの音楽を聴くほど習慣化している。これはファンといっても誰も否定はしないと思う。そんなファン心理の形で綴るお気に入りのマッカートニーの音楽の話である。
  就寝時、通常はクラッシック曲のピアノや室内楽をまとめたものをかけている。たまにゆったりしたポピュラー音楽が聴きたいという時もある。そんなとき自分でまとめたマッカートニーの曲を流してくつろいでいる。
 iTuneの「プレイリスト」ってファイルに「McCartney Lightmusicstyle」なんて項目を作って勝手にエンドレスで流している。要はマッカートニーの楽曲のうちで、小編成コンボやアコースティックスタイルの自分好みをまとめ上げただけのことである。そんな自分なりの選曲を茶飲み話程度にコメントをつけてみた。
 このところまじめな内容というか、お堅い内容のお話が多かったので、思いっきり趣味と息抜きの話で一回分をまとめてみようと思った。以下に述べる説明は個人的な感想と思いである。「はいはい」って感じで、話半分、暇つぶしにお読みいただきたい。


English Tea
アルバム『ケイオス・アンド・クリエーション・イン・ザ・バックヤード-裏庭の混沌と創造(2005)』に収録されている。冒頭からの弦楽器による室内楽の雰囲気を持つアレンジとお国柄のお茶の時間を想定した歌詞がのんびりさせてくれる。ピアノのバッキングは「フォー・ノーワン」を思い出せる曲である。ライブではNASA宇宙ステーションの乗組員に中継で届けた曲である。間奏はリコーダーを使っている。

Let'Em in(幸せのノック)
どのベストアルバムにもほぼ収録されるウイングス時代の曲。『スピード・オブ・サウンド(1976)』に収録の曲。インターホンチャイムで始まるスローテンポとバスドラムの音が印象的な曲である。どちらかというと同時期発表の「心のラブソング」の方が有名かなと個人的には思っている。

My Valentine
今の奥さんナンシーさんに捧げた大人のムードの効いたジャズ調の作品。アルバム『キス・オン・ザ・ボトム(2012)』の収録曲。最近のライブではほぼ欠かすことなくセットリストに入れている。

Here,There And Everywhere
個人的には不朽の名作はこの曲と思っている。「ロング・アンド・ワインディングロード」や「マイ・ラブ」をあげる人も多いが、壮大な感じが好みならそれがいい。でもこぢんまりした佳曲が好きな人はこっちかなと思う。ビートルズのライブ活動時代の最後の年(1966)を彩るアルバム『リボルバー』に収録。

For No One
前曲同様『リボルバー』収録。一曲目のEnglish Teaとピアノの調子が似ているが、間奏はフレンチホルンを使った楽器大好きのマッカートニーの一面が垣間見える一曲。整ったベースラインの美しさも好きである。

Michelle
『ラバー・ソウル(1966)』の収録曲。アコースティックギターで奏でる短調のメロディとフランス語が印象的な曲。ホワイトハウス向けでのライブではオバマ大統領夫人ミッシェルさんの前で披露して話題になった。

Till There Was You
セカンドアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ(1963)』に収録されているカバー曲。メレディス・ウィルソン(スーサの楽団やニューヨークフィルでのフルート奏者としても有名)の曲で、ハンブルグのアマチュア時代から演奏している曲。ビートルズの編曲のものはペギー・リーのカバー曲をヒントにしているともいわれている。

Yesterday
『ヘルプ(1965)』収録曲。ただしB面なので、映画の『ヘルプ』には使われていない(A面が同名映画のサウンドトラックを兼ねている)。ポピュラー音楽のカバー回数世界一に数えられている曲。ちなみに二位は「イパネマの娘」。弦楽アレンジはプロデュサーのジョージ・マーティンによるもの。

And I Love Her
ボサノバ調のアレンジでアコースティックギター二本とベースギターで演奏されている曲。初めての映画『ハード・デイズ・ナイト(1964)』の挿入歌でもある。

Here Today
『タッグ・オブ・ウォー(1982)』に収録の作品。1980年に去ったレノンに問いかけるように歌う曲。ライブではギター一本で歌うことも多い。実質上、オンタイムのマッカートニー作品を追いかけるようになったのは、このアルバムからである。これ以前の年の作品は戻って聴いてきたものである。シティフィールドの野球場のこけら落としで歌ったのが印象的で、この曲と一緒に「平和を我々に」も歌いレノンを慕う姿も心を打つ。

She's Leaving home
マッカートニーの歌詞には、小説や台本のト書きのような描写をするものがある。一連の行動を物語風に歌詞にする。個人的には「アナザーデイ」と同じ書き方に感じる。彼女が家を出立する瞬間っていう描写である。また曲のアレンジでは、弦楽器部分はプロデューサーのマーティンではなく、マーク・リーンダーに外注している作品とのこと。『サージェントペッパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド(1967)』収録。

Girlfriend
コーラスの美しい曲。ファルセットを使うのは「ドレス・ミー・アップ・アズ・ア・ラバー」などでも聴ける。ウイングスのメンバー脱退などで三人のウイングス時代の作品。『ロンドン・タウン(1978)』収録。

Mull Of Kintyre
イギリスにおいては「シー・ラブズ・ユー」の売り上げ枚数を抜いて、自己更新した曲。日本名は「夢の旅人」。スコットランドのバグパイプを取り入れたり、イギリスらしさの伝統をにおわせる音の作りも評判になった曲である。『ロンドン・タウン(1978)』収録。ちなみにタイトルのキンタイア岬はスコットランドとアイルランド、イングランドの接点となる海上交通の要であるとともに、イギリスの大自然を味わえる景勝地なのだそうだ。

I've Just Seen A Face
映画『ヘルプ(1965)』に入っているカントリーのような編成の曲。近年はマッカートニーのライブでもやるようになった。早口でよく口が回るなと感心してしまう。

I Will
このブログではアリソン・クラウスの時にお話をしたことがある。そちらをお読みになっていただきたい。マッカートニーのヴァージョン曲ではベースギターではなく、自分の声をベースにして録音している。『ザ・ビートルズ・通称ホワイトアルバム(1968)』に収録。

Her Majesty
横断歩道のジャケットでおなじみの『アビー・ロード(1969)』に収録。本当はメドレー形式にする予定だった曲で、寄せ集めをして当てはめた際に、残ってしまった一つのようで、もったいないのでこのアルバムに収録されたという。そのため尻切れトンボのように、いきなり切られている。女王陛下を茶目っ気たっぷりに親しみをこめて歌った若者らしい内容の曲。

Another Day
ビートルズを脱退後にマッカートニーが最初に出したシングル。名義は妻リンダとの共作である。十二弦ギターによる演奏は今もライブでよく見られる。タイトル通りの字面だと一般にはanother dayは「(いつかわからない)またの日=後日」ととってしまいがちだが、歌詞の中での字面 just anotherが「いつもの」という慣用句的な使いかたになっていて、just another dayで「いつもとかわらない日」とするのが正解。内容はうつろな女性のはかなさを歌う、どこか「エリナー・リグビー」を思わせる内容と個人的には思っている。

I'll Follow The Sun
『ビートルズ・フォーセール(1965)』収録だが、作られたのはもっと昔のアマチュア時代のようで、リバプールやハンブルグで活動したときには、「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」と一緒にすでに演奏されていた曲。「明日が雨かもしれなくても、お日さまについていくよ」って前向きな歌詞が私は好きである。このブログのタイトルは憧憬の念を持って一緒にしている。

 そんなことで今回はゆるく(本人的にはきっちり書いているつもりなのだが、こんなものだ・汗)ポップスのお話をさせていただいた。
 あと少し、春もすぐそこまで来ている。お体大切に、残りの寒い日を乗り切ってほしい。元気が一番。

参考資料
『週刊100人 ザ・ビートルズ』2003年

ザ・ビートルズクラブ著『リマスターCD公式ガイド コンプリートビートルズ』2009年 集英社

フロムビー編『シンコーミュージックディグムック ポール・マッカートニー』2012年 シンコーミュージック

『ギターソロ曲集ポール・マッカートニー』2012年 ドレミ楽譜出版社

ぴあ編『ぴあムック ポール・マッカートニー来日記念号2015』2015年 ぴあ

2009年デジタルリマスタービートルズ各オリジナルCDアルバムのライナーノーツ

『ライブインザUS2005The Space Within Us』DVD日本語版ライナーノーツ
ほか


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(画像はちゃんと持ち込み検査も受けて、許可をいただいたカメラで撮ったもの。しかも個人の趣味のブログなので、アップOKとアナウンスに見合っているため、ルールに従いアップしました)
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60 私流湘南の花便り1 [私流湘南の花便り]

 平成30年(2018年)新春スタートは植物園からである。本業(?)って感じでキーボード打つ手も落ち着いている(笑)。そして60回ときりも良い。音楽ホールも写真ギャラリーも楽しい。それ以上に、やはり私の基本は花の園であるからなお楽しい。箱根湿性花園、県立フラワーセンター、そして山手バラ園を中心とした公園と、私の学習と撮影の対象は変化してきた。山手の本格的な花めぐりも自分の中で定番になったので、また一つ首都圏で著名な花の園を開拓する。ついに四か所目。
 ちなみに一か所目、箱根湿性花園と、二か所目、県立フラワーセンターのご披露は写真展でのご案内だったので、このブログを探していただいても見つからない。一応リバイバルの試みで2016年に飯田橋のカフェギャラリーで「植物園花色衣」を再度やっている。そこでの過去資料の展示は多少やった。ブログでの再発表をするかどうかは今後考えていきたい。撮影の時代的にフィルムとデジタルの過渡期、多くの図版や写真(ポジフィルム)などをデジタルデータ化する手間、方法、費用が思い浮かばないからだ。
 今回からサムエル・コッキング苑を一緒に堪能していきたい。なぜここを選んだのかというと、江島神社の御利益と言いたいところだが(それもあるといいな。お正月だし)、私の調査、学習テーマとしている対象の時代にマッチしているからだ。イギリスの貿易商が十九世紀、1885年に別荘にしていた江の島の山頂部に、私財を投じてつくった回遊式庭園の植物園なのである。一説には日本初の本格的植物園ともいわれている。
 それは希少な植物の栽培や温水を使った熱帯地方の水生植物などを園内で栽培していたことにある。栽培されていたのは、オオオニバスなどともいわれている。温室にいたっては、当時東洋一といわれており、レンガ造りの石炭暖房器具などを使用していた。それらの赤レンガの遺構が現在も園内には残っている。2002年の工事の際にその大部分が発掘された。現在これらの遺構群を「サムエル・コッキング温室遺構」として公開されている。
 もうここまで書けばお分かりかと思うのだが、この植物園が持つ魅力はナショナルトラストの思想観や十九世紀西欧の自然観にオーバーラップする概念と言える。私が飛びつくはずである。しかも大植物学者の牧野博士との関係も深い植物もある(ツカミヒイラギのエピソードを参照)。「公共施設の舞台での生涯学習」、「キュー植物園のような考え方から来る英国人の持つ自然と風土、歴史観からつくられた文化施設」、「緑と花の自然を満喫できる植物園」という私の考える学習主題がすべてそろった場所。そこで、きれいな花々を撮影できれば言うことなしである。
 この植物園は小さいながらもボードウォークを備えている。椿園を回る際に撮影をしながら歩く。椿の株の多さに驚く。他にも、すでに春の花の木々を見つけているので、開花時期が楽しみだ。遺構の隙間からバラの花も咲いている。いつもの一重咲きのバラをここでも見つけたので、オフシーズンではあるが、一枚おさめておいた。
 また今現在、お正月から観光の目玉として植えられているのが、早春チューリップ。正月からチューリップが見られるというのは面白い。おかげで澄んだ冬の空気のもとで、青空を背景にしたチューリップの撮影ができることが、まずはこの植物園の最初の発見であった。大口径のマクロレンズならではの背景ボケと青空がいい感じだ。
 あとここの苑のスタッフの親切なこと。特筆である。ツカミヒイラギの場所を案内していただいただけでなく、専門の知識のあるスタッフに替わっていただいて説明までしていただけた。ここまで親切な植物園は箱根以来のことだ。たまたまの流れなのかもしれないが、訊く方にしてみれば、心強く、ありがたい行為であった。この場をお借りしてお礼をしておきたい。
 さてもうひとつ、少しわき道にそれるが、久々に日本ナショナルトラスト協会の全国大会にお邪魔した話題だ。何年ぶりのことだろう。今回はさかなくんさん(敬称はこれであっているのだろうか?)がお出でになり、子供たちに楽しいおさかなクイズを出してくれた。今回の大会は親子連れが会場にいるので、なんでだろうと思ったらそういうことだった。カジカとウグイは私も心中で当てた(もちろん口には出さなかった・笑)。団体役員さんでナショナルトラストの基本的な部分をよくお書きになったり、講演なさっている方のお話を聞き、次に和歌山の団体の報告を拝聴する。南方熊楠の話や本場の英国ナショナルトラストの視察団体のお話なども交えて、設立当初の貴重なお話が聞けた(大会の様子の画像は、主催者側の撮影許可時間内に撮影したものである)。
 私は時間の関係で少々早く帰ることにしたのだが、帰り際に名刺を置いて帰ろうと差し出すと、その受付担当の方のひとりは私のほうを向いて「存じておりますよ。いつもありがとうございます」と微笑んでくれた。心中『そうなのか……』と知られているとわかると嬉しいようなくすぐったい感じがして、何となく照れてしまいその場を後にした。私のほうはきっとぎこちない笑顔になっていたと思う。この時の自分は、印象良く振舞えていれば良かったのだが、どうであったろう。こういう時にいつも無様な私である。なんにせよ、ナショナルトラストのお話はいつ聞いても良い。また自分の知識や意識が下がり気味になったら、チャージをするようにお話を聞きに来ようと思った。
 さて新年も明けて、これから今回のこの「私流湘南の花便り」がたまに更新されていくと思う(あくまで予定だ)。私のブログなど誰も期待はしていないと思うが、もしかすると優しい奇特な方がいらっしゃるかもしれないので、その方々に向けて楽しみに待っていていただけたらと伝えておこう。
 それでは本年もよろしく。お互い、いい年にしよう。またひとつおじさん度の増した私の今年の抱負。それは犬小屋の上であおむけになって昼寝する漫画のビーグル犬のように、のんびりすることだ(戌年だけに)。新年から拙い文章をお読みいただき感謝である。

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これは本文とは関係ないが正月らしいのでアップした画像である
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59 夜景・夕景の話 2 [夜景・夕景の話]

 少し「一般的な機材の話」シリーズに近いお話になってしまうが、現在はEOSシリーズのほかに、K-3という一眼レフを使っている。もう使い始めてから数年は経つ。実はこのカメラと私は結構相性がいい。時期的にK-20も旬を過ぎて下取りを考えていたころに、このカメラの二つ前のK-7というボディが発売になっていた。これを考えていた時に阻まれたのがスペックの問題である。デジタル一眼もそろそろフィルムのころの性能をすべての面で凌駕し終わった時期である。
 その時その時でほしいスペックというのがある。この時は連写秒間8コマ以上、ISO感度100標準撮影可能、大口径の通しレンズが18mmから300mmを三本のレンズでシステム組みが出来ること、ファインダーはペンタプリズムを使って、視野率97%以上(あわよくば100%)あることが重要だった。この条件を満たしているのは、当時ニコンとキヤノンしかなかった。K-7ではカワセミや祭りなどの高速に動く被写体にどう接したらいいのかと悩んでいた(この機種も決して遅いほうではないのだが、自分のニーズと合わないのだ)。さりとて、ニコンのシステムを処分した直後に再びそろえるのはいかがなものかと考えて、キヤノンの機材を三台目というのもどうかと思っていた。
 そこにK-5が華々しくデビュー。そしてすぐにK-5Ⅱがでた。だが、このK-5Ⅱには二種類の選択肢があり、撮像素子のローパスフィルターの有無による選択をする機材だった。1600万画素超のISO100撮影可能、JPEGで秒間7コマをマーク、ボディ重量660gは理想だった。スペックは申し分ない。レンズもまあ今あるもので十分間に合う。問題はローパスレスか否かの問題。K-5Ⅱsは偽色を抑えるフィルターカバーを備えたモデルであった。
 この選択待ちが私の良いところでもあり、悪いところでもある。ただこの時はこの性格が吉と出た。要は小心者、優柔不断、あきらめやすい性格のおかげで(我ながら思うに、良いとこないな・笑)、決めかねて、買うのをあきらめてしまう。そうして、まごついているうちにスイッチ一つでローパスレスとの切り替えができるK-3が登場した。
 K-3は、ソニー製(だったはず? 東芝製という人もいるcf.価格コムとデジカメwatch。ただちゃんとしていれば私はどちらでもよい)の2400万画素超撮像素子搭載、ダブルSDスロット、連写が秒間約8.3コマ。そして防塵防滴。超小型な上にフィールドに強い機種だ。あとはこちらの条件はすべてクリアしてくれている文句なしの夢のスペックだった。ニコンとキヤノン以外でこのマシンスペックはお見事である。もっと評価されてもよい機材である。
 おかげでこのカメラは当分メイン機材で頑張ってもらえると確信している。このカメラも現行品ではなくなったので、ここで紹介することにした。
 そんなわけで今回はこのK-3くんとEOSくんをお供に横浜の港湾地区、全館点灯へと二年ぶりに出かけてみた。久々に両方の機材をじっくりと準備しての撮影だった。相変わらず長い前置きだ。本題に入ろう。
 昨年は諸事情により、全館点灯の撮影ができなかった。その雪辱を晴らすべく、今年は万全の準備で臨んだ。普段あまりしない下準備を行い、EOSはipadのリモート機能をWi-Fiで同期させて、端末側でシャッターを切れるようにした。K-3は大口径三本を出動させるため、キャリアに載せて転がしながらの銀バッグで臨んだ。ショルダーでは体がもたないからだ。さすがに一眼レフ二台とそのシステムレンズを手で持ったら次の日寝込んでしまう(おじさんとはそういうものだ)。
 さて実況をお伝えしよう。毎年大桟橋や象の鼻パークで全館点灯を撮影してきたが、今年はもう一つのそのべたな撮影場所に向かう。べた撮影で有名な三か所のうち、まだ私が撮影したことのない場所、万国橋に行くことにした。ご存知ワールドポーターズの横だ。赤レンガ倉庫からも近い。運河に映る水面の陰影がきれいな夜景ということで、べた中のべたな場所である。以前このブログで掲出したこともある大桟橋や象の鼻と並んで、数々のパンフレットや雑誌で使われる構図である。その場所の全館点灯であるから混雑するに決まっている。
 私が着いたのは三時半前だったが、すでに場所取りは始まっていた。三脚が並んでいる。被写体を前にして橋の左側から順に埋まっていく感じだった。四時前には橋のすべてに三脚が並んだ。私は橋の中央よりやや右側に陣取った。なるべく後塵となった人も入れてあげたりする。結構な混雑だ。それでも二列目の人が陣取り始めて、歩道は歩けない状態になる。私はトワイライトの時間に十分な枚数を撮り終えて、後発組に場所を譲った。いつものごとく三脚を抱えて、別の場所に移動である。今年はライトアップの日本丸を撮るのも目的なので桜木町まで歩きながら、撮影を続けた。それが下の作品である。
 今年の全館点灯は美しい。天気にも恵まれ、時間にも恵まれ、トワイライトのグラデーションと運河に映る夜景も重なり上出来である。作品の出来がいいのは、撮った瞬間にわかる。もう帰りの電車の中はウキウキ気分である。帰宅後にK-3に投げキッスだ(実際にはしていない気持ちだけ)! もし本当ならK-3は迷惑だっただろう(笑)。EOSも抱きしめてあげる(これも気持ちだけ)。やはりEOSも機嫌を損ねなければいいのだが。まあそれぐらい愛機を愛しく思うということである。
 さておおむね時間にもよるが、この夕方の時間は刻一刻と明るさが消える。それに合わせて、MFモードでマニュアル露出で、絶えずシャッタースピードを変えながらケーブルシャッターを押し続けた。おおよそf8でISO100は変えないで、シャッター速度だけを三秒あたりまで変え続けた。低感度でないとあの藍色からオレンジの美しいその背景は出ないからだ(一応まだ知らない方に言っておくと、私の作品の大部分は、今回も含めて、電気的な加工や飾りつけをしていない。撮って出しそのままだ。露出、シャッター速度、ISO感度の操作だけで作ってる。フィルムのころから変わっていない)。もし夜景夕景の撮影に興味のある方は、参考の一つにしていただけると嬉しく思う。
 そしてマニアの喜ぶネタを一つ。撮影待ちの時もあちらこちらから聞こえていた話題だ。今回の万国橋の一眼レフカメラ、ざっと見ではあるがキヤノン使用者が全体の約半分だった。ニコンとソニーがほぼ同数かな? 緑のレンズをつけていたのは私ともう一人若いお嬢さんだけだった。見た限りではだが。
 視点を変えて、ミラーレスと一眼レフの数で行けば半々というところだ。こっちはキヤノンが目立ったが、後はほぼ横並びの感じがした。パナソニックとオリンパスがよく目にはついたが。
 これが世間一般のシェアの縮図とは思わないが、キヤノン一人勝ちの感じがした。まあ緑のレンズは良品なのだが、認知度が上位三社より一歩遅れている。頑張れペンタックスリコー、そして負けるなオリンパス(笑)。
 ではそんなところで今回はシメにしよう。メリークリスマス。そして来年、いい年にしよう。このブログはこれが今年最後の更新である。

-今年もお世話になりました。良い年をお迎えください- 筆者より

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