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37 私的で勝手な十九世紀考(少し真面目なお話3) [少し真面目なお話]

 ビクトリア期の英国を舞台にしたテレビドラマといえば、『シャーロック・ホームズの冒険』が有名であり、初見で1980年代初頭、十代のころに、一部私も見た覚えがある。数年前にも再放送をしてくれたので、記憶に新しい方もいるかもしれない。
 私にとってシャーロック・ホームズは、やはりジェレミー・ブレットである。本当はコナン・ドイルの原作では『緋色の研究(緋色の習作)』が第一話と聞くが、この英国グラナダテレビのドラマは未収録なのだそうだ。「美しき自転車乗り」、「斑の紐」、「赤毛同盟(赤髪連盟)」などは謎解きでわくわくしたのを覚えている。斑のひもは蛇だった。赤毛の高報酬求人はアリバイのためだった(と思う。あとで見直してみよう・笑)。
 ロンドンのベーカー街にはこのドラマのセットによく似たホームズの下宿先が資料館のようになっている(今もあるのかな?)。221番地Bという住所は本当はなかったと聞いたことがある(記憶違いの可能性もあるのだが)。でも丸い番地のプレートが建物の外壁レンガに張り付けられて、この住所表示をしていた。
 ドラマの中、暖炉の前で新聞を読むワトソンとパイプを吸うホームズのおなじみの光景はわくわくするものだ。ハドソン夫人の愛情や持ってきてくれる食事などにも当時の生活がうかがえる。またお茶と一緒に運ばれるお菓子やサンドウィッチが、「英国だなあ」などと感じた。レストレイド警部なども登場して、みればいつもの登場人物が揃う。
 もうちょっと書くと金融街のシティが登場し、フランスでの国際事件解決、ホームズの兄が高級官僚だったり、シーズン終わりの最終回で、宿敵モリアーティとスイスで滝つぼに落ちたシーンは心に残る名場面と言えた(あやふやな記憶のため一部違っているときは、スミマセン)。こう振り返ると、探偵ものも結構好きだったのかな? 機会があればまたゆっくり見直してみよう。
 こうした十九世紀の生活は、以前にも述べた映画『マイフェアレディ』、『ミュージックマン』やフランス映画で最近ミニシアターで見た『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』などにも描かれている。2006年公開の『ミス・ポター』も十九世紀後半から二十世紀初頭の物語だ。ちなみにモリゾは十九世紀フランス印象派の紅一点といわれることの多い画家である。印象派の相談役でもあり、兄貴分だった画家マネ。彼の弟と結婚した女性だ。実姉の夢を受け継ぎ女流画家として活躍した。ポターに関してはこのブログでは今更言うまでもない。
 ポール・マッカートニーの『No More Lonely Nights(ひとりぼっちのロンリーナイト)』のミュージック・ビデオに登場する回想シーンの舞台、衣装や馬車など、特定はできないが、この時代のように見えた(気がする)。自然散策とピクニックが流行したその光景が演じられているからだ。また彼は『ミュージックマン』の挿入歌『ティル・ゼア・ウォズ・ユー』をアコーステックな軽音楽風にカバーしている。これもいいのだが、ミュージカルアレンジのチェノウェスの美声もいい(シャーリー・ジョーンズ世代のみなさんゴメンナサイ。でも演技はシャーリーのほうがいいというあちらの評論を目にしたことあります)。どっちも甲乙つけられない。
 馬車やガス灯、鶏のように腰が出っ張った女性のドレス、シルクハット、ステッキと石畳の街並み。この時代のパリもロンドンもまるで映画に見る世界だ。湿板・乾板写真も(後付けだが、ホームズを見直したら、第一話は「ボヘミアのスキャンダル」で暗箱カメラ時代の記念写真が事件の発端となっていた)、いろいろな物語に登場するロンドン-エジンバラーを結ぶ超特急「フライング・スコッツマン」も十九世紀の名物である。十八世紀に登場したキュー・ガーデンも、このころには名所のように登場する。スコットランド・ヤードの名称が使われたのもこのころからである。わが国では1853年にペリーさんが来航と世界が少しずつ互いを知るようになったころである。そして1868年の明治維新である。
 現在も激動の時代で、日進月歩、世界や科学が進歩したり、変化する時代なのだが、十九世紀もそれなりに世界や科学が進歩していた時代といえる。そういった意味ではあの当時の新しく登場するそれまでの常識を打ち破ったアイテムや国交、芸術は現代に通じるものがあるのではないだろうか?
 なんで今回はこんな番外編を書いたかというと、先日横浜のイギリスパブで、フィッシュ・アンド・チップスを食べたからかもしれない。スモールサイズにしたのだがとてもおいしかった。食い気からのインスパイアと、なんともあまり高尚でない終わり方をするが、私のレベルなど所詮こんな程度である(笑)。そしておじさんになると楽しみなど、これくらいしかないのだ(再笑)。次回は久々の「私流よこはまの花便り」と行こう。ではごきげんよう。

「シャーロックホームズの冒険」準公式ファンサイト?(やっぱり、調べるとあるんだなあ) http://jeremybrett.client.jp/index.html

著作権の終わった原書からの翻訳をしてくれているサイトです。(もちろん無料)
五十を前に引退して養蜂家になったホームズの話『最後の挨拶』も載ってます。(必見!)
http://www.221b.jp/

モリゾの映画はこちらから http://ism.excite.co.jp/art/rid_E1433928019129/pid_2.html

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