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13 写真ギャラリーめぐり-それぞれのための鑑賞ルート [写真]

 以前にも少しだけ触れたが、都内のギャラリーをめぐる際の道順を自宅からの出やすい順に並べて、鑑賞のハシゴを行う散歩コースのことを今回は触れてみたい。まだ私が写真ギャラリーめぐりを始める前は、歴史や文学、西洋絵画好きだったので美術館や博物館のハシゴをして、最後に銀座や新橋、新宿などのカメラ店を回るのがお決まりだった頃がある。「♪安さ爆発~」の店や中古を扱うチェーン店がたくさんあった頃の話だ。もううん十年も昔の学生時代だ。だからもともとは写真ギャラリーに特化したギャラリーめぐりではなかった。いわば美術館・博物館めぐりの派生からのスタートだったというわけである。しかも特別展ではなく、当時は学生ゆえ安く入れる常設展が多かった。
 九十年代の後半に入るとそういったカメラ店は減少してしまい、少しでも写真やカメラに繋がっていたいと思った頃、そして大人の趣味としての写真にスタイルを変えたいと感じた折、ギャラリー見学もたしなもうと散歩をかねて回るようになった。世の中ではデジタルカメラの普及が市場でもそろそろ決まりかけていた頃だ。この頃には画素数はともかくとして、コンパクトカメラでのシェアはかなりデジタルへと移行が進みつつあったように覚えている。
 おっと、失礼、前置きが長すぎである。カメラそのものの魅力もさることながら、写真家の作品に触れる、考えかたを理解する努力をしてみたいと思うようになった。そう読書家が作家の個性や人物像に惹かれるように、あるいは歴史好きが歴史現象の起きたことを拾い集めて解明したくなるような衝動に近かったかもしれない(まあ私の場合はそこまで高尚なものかは不明だが)。ただ所詮、私のような児戯に等しい知識と手法しかない拙い者に全てを理解することは無理である。
 だからただ分かった気分になればいいと軽い気分で始めたのが私のギャラリーめぐりのスタートだった。重荷になってやめてしまっては本末転倒である。先に結果を言っておくと、アマチュア写真家とは違う商業写真家や写真作家の方々のコンセプトやコンテンツはさすがに職業にしているだけあって、知れば知るほど技術も手法も飛び抜けていた。テーマやモチーフの個人的な好みの違いは、たまにあるのだが、それは彼らの仕事として見ているので関係ないし抵抗感もない。いい仕事をしている作品は、私の好みでなくても何かが違っていた。そんな感動を求めてふらふらと都内のギャラリーを散歩するのである。
 ちなみにそんな鑑賞作業、散歩のことを飯沢耕太郎さんは自書の中で「けものみち」と呼んでいらっしゃる。また人のかずだけそのルートがあるともお書き添えだ。絵画や造形を見て回るのなら上野や青山なのだが、その「けものみち」たる写真の道はやはり銀座、新宿、原宿などだろう。特にメーカー系のギャラリーが集まっていることもあるため銀座と新宿は外せない。新鋭の人たちが目指す原宿、表参道、渋谷なども写真ギャラリー鑑賞族の拠点だ。以前私は自由切符の類で回るというその散歩手法を述べたことがあるが、それがこの離れた三カ所をつないでくれる魔法の切符だからである(笑)。
 ただこれよりも深いルートの仕訳や考察をこのブログではしなかった事には簡単なわけがある。それは拙い私がここで述べても仕方の無い内容だからである。もっと言ってしまえば、先に述べた飯沢耕太郎さんの本がその内容までも網羅しており、今更後発のゆるいブログがその内容を述べる必要が無かったためである。機会があったら是非参考にして欲しい本であることは確かだ。
 そういえば、飯沢さんのスピーチを先日拝聴してきたがお変わりなく、穏やかな性格が出ているお話のしかただった(もちろん面識はありません。ただのファンです)。嬉しかった。かなり前の吉祥寺以来だ。今回は写真家の田沼武能さん、映画監督篠田正浩さんとの鼎談(といっても司会進行役に近かった)で「旧下丸子」のメーカーさん(あいかわらずキヤノンと書くよりカメラファンっぽいと思っているのは私だけか?)のイベントで拝聴させていただけた。茶目っ気たっぷりの田沼先生、真面目な篠田先生もステキだった。
 botでは飯沢さんの写真史の専門書をご紹介しているが、ここでギャラリー鑑賞者のためになる書をご紹介したい。内容はご自身でお読みになることをお薦めするが、写真史的な要素から鑑賞、写真展の開催方法までを平たくカバーしてくれているもの。それが『写真を愉しむ』という飯沢さんの著書である。写真を趣味にして真面目にかつ本気で愉しもうという人にはうってつけの本である。とりわけ鑑賞に重点を置く内容のものはなかなか見つけるのが難しい。貴重な一冊と言える。
 そして最後になるが、今回も触れた新宿のルートに新しく現れたギャラリー、そうオリンパスギャラリーについて少し触れたい。ようやくオリンパスの新しいショールームとギャラリーを訪問することが出来た。スタッフの方に訊いたら「写真も自由に載せていいですよ」と快いお返事をもらったので、今回は移転した綺麗なオリンパスの新ショールームの画像三枚をお付けしてお別れしたいと思う。ではまた。(予定なので変更もありかも知れないが、今のところ「写真ギャラリーめぐり」の主題は第十五回をもって一旦終了と考えています)

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