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15 写真ギャラリーめぐり-まとめにかえて [写真]

 約一年にわたって続けてきた私の趣味であり、実益(?)を兼ねた楽しみである写真鑑賞と公共学習施設や展示会場のお話も、今回で一区切りである。一年で十五回ということは、平均すればひと月に一回以上ということになるので、私からしてみれば驚くべき快挙である。何をするのものろまだし、諦め屋、煮え切らない、おまけにさえない性格の私。…にしてみれば、ご褒美をあげたいくらいめでたいお話である。自画自賛にはなるが、それくらいすごいことと自負している。
 振り返ってみれば、写真展の鑑賞の方法や開催している展覧会の探し方などを、自分なりの経験をカテゴリー毎に解説をつけて発信していただけのことである。しごく単純なアナクロ形式の情報ツールということになる。
 だがただ一人で勝手に書いてアップするだけでは到底ここまで続かなかった。これもひとえに御贔屓にして下さった読者の方々のおかげと感じている。それくらい粘り弱い(こんな言葉あるのだろうか?)のだ。くじけることなら誰にも負けない(笑)。
 ゆるい前置きはこれくらいで、包括としての所見を述べていく。まずは写真家の個展である写真展、作品集などについてだ。お金を払って鑑賞する写真展の開催主や写真集の作者、媒体主というのは、営利目的・アーティストの感性・プロ意識の備わった面々である。私のような自己満足とは違い、待つ人のいる仕事というフィールドの中で一生懸命だ。そしてそんな仕事を複数の掛け持ちをしながら仕事をしている。それにも関わらずクオリティーの高い上質な作品を大量生産しているところに敬意を表するほかない。
 次にギャラリーや写真美術館、記念館などのスタッフの方々の尽力である。順に言うと、私個人が自分の作品展で(生意気にたまに写真展をやることもありますので、レベルの低い写真展でも良いという方はぜひ拙作展に足を運んでいただけると嬉しいです)、お世話になった石川町の駅近くの親切なギャラリーや三鷹駅近隣のギャラリーは写真専門というわけでもないのに、とても丁寧で親切にしていただいた。遅ればせながら、この場をお借りして謝意を表したい。
 こういった場所は、運が良ければ、気軽、気さくに同志を持った人と出会える場所でもある。私は引っ込み思案なのであまりそういうことは無いが、気さくな人同士なら、意気投合することもあるかもしれない。そして、そんな場所の出会いが多いと、やはり相乗効果で写真展をやりたいという人が繋がって、増えていくんだろうとギャラリー運営においては門外漢でありながらも感じている。上質な写真展が増えれば、当然ながら私の散歩の訪問先も増えて、私は写真展をめぐる心地よい散歩に出るのである。
 また見せることの一級のプロである写真美術館や記念館の類のスタッフさんの意向では、たまにフィルム時代のネガやべた焼きなども展示してくれることもある。「贔屓の写真家のファンにはたまらないのだろうな」などと考えながら拝見することもあった。
 そして公共学習施設や自治体の文化会館などの施設も使い勝手の良い場所である。もちろん公の施設ゆえ物品販売などは出来ないので、こちらが訪問する立場の時は気楽に足を踏み入れることが出来る。
 ちなみにこれから初めて写真展を開かれるアマチュアの方に、僭越ながら参考になる図書を紹介しておくので、興味ある方はどうぞ当たってみて欲しい。もしかしたらお役にたつかも知れない(たたなかったらご愛嬌でお許しを・笑)。前回の『写真を愉しむ』と合わせてお読みになると良いかもしれない。『ファット・フォト(PHAT・PHOT)』2008年五月号増刊号でサブタイトルは「うまくいく写真展のヒント」である(タイトル通り、そのままです)。バックナンバーや古書店などで見つけたら「買い」である。あとは古くて絶版と思うのだが、入手可能の調査はご自身でお願いしたい本がある。『カメラ完全攻略Q&AⅡ』という『CAPA』の別冊ムックがある。展示するための写真プリント注文方法なども載っているので、部分的には役に立つ(ただしフィルム時代の本です。たぶんデジクリなどには対応してません。奥付1997年です)。また雑誌では『美術手帳(BT)』の2007年7月号「写真家になる基礎知識」も別に写真家にならなくてもいい人にも、一部記事が役立ちます(ちなみに総収入の半分以上を写真で稼がないとプロフェッショナルではないと聞いたことがあります。真偽はいかに?)。
 イベント関連で進めるなら、やはりシーピープラスや東京写真月間といった巨大イベントに参加して、メーカーさんや写真関連産業の企業の皆さんの努力や親切を感じてみたい。そしてテンポラリーギャラリーだけで無く、メーカーや小売店の常設のショールームや店舗併設ギャラリーなどに立ち寄ってクオリティーの高い写真展に酔いしれるというのも楽しみだ。以前も紹介しているが、特に旧「下丸子」、時計メーカーのグループ会社さん、あと加えて、まだ私自身は行ったことがないが、何かと多くのイベント記事に出ているので、トリニトロンで有名な映像メーカーのギャラリーはお薦めだ。
 最終回なので、もうひとつ本文には紹介しなかったもの。都内で銀座や新宿には一杯やりながら写真談義を出来る飲食店なども存在する(そんなことはどの店も看板には謳わないので自分で地道に探して下さい)。もちろん私は量も飲まないし、外でもあまり飲まない。短時間・短距離で帰宅したい人なため、都内で常連になることはあまりない(家での一人飲みや常連になるのは出やすい横浜や神奈川方面にあるフランクな近隣の店で十分なのです)。なので、かつて覗いたことがある程度だが、質の高いフォトギャラリーを兼ねたアマチュア写真家のサロンとなっているお店はちょっと異空間的で楽しいものだ。あれもギャラリーなんだろうなと思い返してみた。そんな写真談義の仲間が欲しいと思う方はその類のお店の扉を叩くのもありだろう。
 さて序で述べたように、「鑑賞するための案内を中心としたブログで、人様のお役にたちたい」という当初の目的は達成できたのかは、私は自分では分からない。しかし、そこそこの方がこのブログにお寄りいただいているようなので、少数派ながらお役にたったと見るのが結論ではないかと考えている。もともとが無限に広がるネットの隅っこで、草の根のように、目立つことなく、細々と自己満足とあわよく行けば「役に立ちたい」からスタートしたものだった。したがっておおよそ目的は達成できたと自己完結したいと思う(笑)。そもそも在野者のブログで、ここまでギャラリーや美術館について述べることができたのもありがたいことである。これからも怠ることなく、楽しく飽きない程度にがんばって在野なりのギャラリーをめぐり、写真家の先生方の表現する良い作品との出会いを大切にしていきたいと思う。一期一会の作品展を大切に、皆様とはまた近いうちにこのページでお会いすることが出来るといいなと思う私である(ほんのすぐ、来月にもう更新されていたら大笑いである)。長期にわたりお読みいただいた読者の方々には厚く御礼申し上げたい。近いうち、このブログサイトにてまたお目にかかりたい。横浜の町もそろそろクリスマス・イルミネーションが多くなり、ぶらぶらに適した季節になってきたようだ。 
Coming soon...(笑)。


  Thanks. 米斗太陽/MasamiNARUSE

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14 写真ギャラリーめぐり-愉しみ(撮影・機材・ギャラリーの三要素) [写真]

 写真を愉しむ方法のなかには副題に示したように、撮影、すなわち「写したい人」、機材、すなわち「手にしたい人」、作品、すなわち「鑑賞したい人」のように、三位一体となった楽しみ方があると思う。もちろん写真好きならその全てが対象であるが、なにに重きがあるかという話だ。私はここで、そのなかでも一番ネタの少ないといわれているテーマ、鑑賞についてをブログにしてお話ししてきた。
 世の中にはサブカテと呼ばれる検索の対象をしぼるために加えるジャンルがあるが、そのサブカテ風に言うなら、「写したい人」と繋がるのは被写体を求めた移動や旅行である。ここは旅好きや被写体を求めるさすらい旅情と重なるのだ。次に「手にしたい人」は、よそさまのbotなどでよくみかける愛されながら茶化される趣味、収集である。これは販売店やメーカーカタログ、ショールームなどにも繋がる。そしてコレクターやメカ好きとも繋がる。最後の「鑑賞したい人」は、これまで本稿が追いかけてきたギャラリーや美術館、図録、写真集などの類に繋がっていく。一種の美術ファン、芸術ファン、本好きと同じ分野に属しているといえる。つまりカメラや写真を中心とした趣味の裾野には、それぞれの重きに対して、それぞれの方向を向いたそんなサブカテが存在しているということになる。
 どんな趣味でもそうだが、中心となる分野を軸としていろいろな事象があって、それが複数のジャンルにまたがっているというのが本当のところだ。だから「今日は写すことやレタッチ、明日はカタログを見ながらこのつぎのお小遣いで買えそうな機材候補を見つける」といった楽しみは尽きない。そんな中で鑑賞ファンにとって必要な基本知識は、写真家、写真作家の作品のテイストや思想観といった個性やオリジナリティなどに通じる作品の見分け方や鑑賞方法のような下地である(もちろん無くてもいっこうに構わない。みるだけでも結構愉しい)。このブログで何度も申し上げてきた作家本人のトーク参加や本を読むことへの誘いで得ることが出来るのが、作家さんそれぞれの個性の習得である。勿論中には、そんなものは鑑賞者ひとりひとりが各々で感じれば良いとお任せの写真家の方もいれば、一方で乱暴に扱われるのを嫌い、主題を丁寧に解説し大事に温めている写真家もいるのだ。そういった作家の思惑を汲んだ上で鑑賞と読解作業に我々は入ることを留意してみるのがいいのだろう。
 例えば土門拳が温めた『古寺巡礼』、表紙の帯には作家川端康成の推薦文が載せられていることは有名だ。後世に伝えたい歴史文化という思いが両者を結びつけたというひとも多い。入江泰吉は、やはり随筆作家で文化人の白洲正子の意見に合う作品を数多く生み出している。逆に言えば、白州の好みが入江作品だったともいえるだろう。そうかと思えば先日『あの人に会いたい』という番組(だったと思うが)でアーカイブフィルムの再放送があり、緑川洋一がインタビューに答えている映像を思いがけず見ることが出来た。いくつものフィルターと日没時の決まった場所からの太陽光線が一致した海岸と水面の反射であの傑作は生まれたという趣旨の話を聞くことが出来た。もちろん『海のメルヘン』の話である。またブレッソンの有名な水たまりの上を飛んでいる人の写った作品、『サン・ラザール駅裏』なども「決定的瞬間」という流行り言葉になる様な作家の作品個性とテイストなのである。
 作家には作家の個性や味がある。それを愉しむのが「鑑賞」という作業のように思う。この趣味は仮にカメラの操作をできなくても、雰囲気と感性で愉しめる趣味である。美術館やギャラリーといった雰囲気の良い場所で知的好奇心やアート気分に浸って優雅さとくつろぎの時間を持つことの出来るこころの休憩室なのである。またカメラを操作できる人にとっては、新しい発見やヒントを与えてくれる知の宝庫でもある。展示作品から新しい発想や着想を得ることもあるだろうし、お誂え向きにアートに関する書籍が閲覧できる場所を備えているところも多いので、そこからということもある。決して気取っての訪問でなく、普段着のままでくつろぎながら出逢う知の空間というのが鑑賞の世界と考えている。私個人で言えば、幸せな顔が見られる場所とひたむきな顔が見られる場所、そんな場所がお気に入りのことが多い。美術館もギャラリーもそんな人たちの顔を見られる場所のひとつである。幸う時間と真面目な時間、人間にとって一番必要な時間である。そんな時間を過ごすことが出来る場所のひとつが美術館であり、ギャラリーである。チャンスがあるなら、あなたの大切な人と今度の休日にはぜひ足を運んでいただきたい。そこには知識、幸福、やすらぎなどがあなたを待っているはずである。
 カメラをぶら下げた人、メーカーのカタログ・パンフレットを小脇に抱えた人、図録と照らし合わせて作品と真剣に向き合う人。そんな三者三様の愉しみに加えて、そんな人たち以外にも寄り添う恋人たち、子どもに説明をする父母、散歩がてらに立ち寄った老夫婦など、そんな人たちが作品の前で愉しんでいる姿を想像しただけで、ギャラリー訪問が楽しくなるかも知れない。少なくとも私はそんな光景が大好きである。撮影や機材と重ねてもうひとつ、鑑賞という作業を推進するおせっかいな文化活動に、人知れず少しでもお役に立てたらいいなあと考えている在野の一人である(つまりは素人ということです。はい)。
 今回のおまけ写真はちょっとだけ話題に出したので、かつて竹橋の近くの美術館で行われたブレッソンの催しが貼られた掲示板とその周辺の景色を載せておく。いい作品展だった。そして良い雰囲気の美術館でもあった。帰りには竹橋周辺をぶらぶらしていった記憶もある。
 次回は一旦最終回と言うことになるので、総集編として要約した文章をお出ししようと考えている。勿論気まぐれな私のことであるから、ネタが溜まれば平気な顔をして『パート2』とか『続編』とか『番外編』とかやるであろう。それが拙者たる小生の謙譲して言うところの「厚顔無恥」の性質である(笑)。ではまた。ごきげんよう。
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