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39 私流とうきょうの花便り-植物園花色衣・早春編 [写真 自然]

 昨日雪が降った。真冬だ。そして「花便り」、今回は東京出張である(電車で横浜-東京は二十分強である。近い! 横浜市を北から南に移動すると二十分では着かない)。東京の小石川には植物園がある。ご存知東大の付属植物園である。この分園が日光市にもある。ここの本園、もともとは幕府の薬草園だったそうだ。そして青木昆陽がサツマイモの研究をした場所でも知られる。
 場所は地下鉄の茗荷谷駅や春日駅下車で行くことができる。神保町に職場があったころ、この先に部屋を借りていた。白山通りや春日通りなど、この横をたまに自転車でかすめていた。若かった(笑)。
 この植物園の梅園は立派なもので、紅白のウメの木が傾斜地の池の畔に林立している(ただし呼び名は「うめばやし」という)。どの程度江戸の街以前の自然を残しているのは知らないが、この植物園を一回りすると軽いハイキングをした程度の達成感と疲労感を感じる。自然の残された結構な規模の敷地面積があると思って良い。
 さて植物園の話を続けよう。ウメの花は素晴らしく沢山の品種が植えられている。わたしは園芸品種に詳しくないので、その辺は端折らせていただくが、古い建物や青空に映えるウメの花や木に愛着を感じた。その辺は写真を見ていただけば分かる。
 前回も取り上げた兄弟分のサクラについて、この植物園に茗荷谷駅から徒歩で向かうと播磨坂という桜並木の大通りを経由する。その中ほどに河津桜が一本だけあり、満開を迎えていた。その美しい花もアップしておきたい。
 また植物園の中央部奥にも大きなカンザクラがあり、それは旬を過ぎていたが、鮮やかなピンクの花が大きな房咲で出迎えてくれた。
 花自体はそれほど多い季節ではなかったが、スイセンなどは咲いていた。またフクジュソウも小さなつぼみをつけていたので、あと半月ほどで黄色の花を咲かせるのではないだろうか。そして椿である。今回撮ったのは白地に赤のマーブル模様のものだった。
 こう考えると、春もすぐそこまで来ているなという実感である。植物園の入場口からそのまま大きな道を進むと、舗装された道の終わりから、サクラの木が並木のように続いているので四月の初めのは、サクラ見物の人たちで賑わうことだろう。これらはソメイヨシノ系ということだ。またその手前、舗装された道の終点を右に曲がると、藤の木が多く植えられている。これもまた五月には多くの人たちに甘い香りを届ける場所になりそうだ。
 その先に今回写した夏みかんの木がある。植物園のものなので、そっと香りを愉しむ程度なら許されるだろう。
 本来はロウバイも美しかったようなのだが、ヒヨドリの食事なってしまい、今回はその美しい姿を見ることが出来なかった。時期的には一週間前がよかったようだ。
 一応、生涯学習のアドバイスとして、この植物園の展示エリアを挙げておきたい。薬園保存園、分類標本園、シダ園、ツツジ園、梅園、ソメイヨシノ林、針葉樹林園、萩園、クルミ科園、花菖蒲の池などがある。もちろん他にも挙げてはいないが、様々な植物が植生、栽培されている。園のほぼ中央部には売店もある。
 この植物園の温室は改修工事に入ってしまったため、今回は見ることが出来なかったが、新装オープンを愉しみにしたいと思う。
 早春のフクジュソウに会えたのが何よりもうれしかった。山野草ファンにとって、寒い時期、一番乗りのキンポウゲ科の黄色や白の花たちを見つけるといいことに出会えた気分になる(今回はつぼみだけど)。写真にはないが、この園ではフタリシズカにも出会えそうだ。フタリシズカは花よりも葉のほうが大きく、あまり花好きには人気がないが、山野草の雰囲気を持った草である。
 今回は前回に提示した通り、みどりの話を提供した。有言実行できた(つまらぬところで義理堅いとよく言われる・笑)。まだ早春ゆえ、咲いている花は少ないが、確実に春の温かさはそこまで来ている。あと少しだ。また近いうちに、横浜散歩の花たちも撮り歩きたいので、お暇があれば、このささやかなブログにお寄りいただきたい。

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満開の河津桜

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つぼみをつけたフクジュソウ

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園内のカンザクラ

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青空と紅梅

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椿


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夏ミカン

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旧東京医学校の建物と梅林

小石川植物園のHP
http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/koishikawa/



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38 私流よこはまの花便り8-休息編- [写真 自然]

 久々に花を求めた散歩を再開することにした。最近のお伴の音楽はシーラ・ハルやアリソン・クラウスだ。春だからハルと言うわけでもないのだが、どちらも美声のブルーグラス系ということで、最近気に入っている。
 話は逸れるが、少し説明をいれる(たいした説明でもないし、さほど知りもしない)。ブルーグラスはアメリカのカントリーソング(独立ジャンルという場合もある)のジャンルのひとつである。日本ではそれほど有名なジャンルではない(好きな人はものすごく好きみたいなのだが、わたしはさわり聴く程度である)。アリソン・クラウスのカバーするマッカートニー作の「アイ・ウィル」に惚れてしまった。本家にも匹敵する出来だ。透き通るヴォーカルとスローテンポのアコースティックの雰囲気にとても癒やされる。ハルの「ベスト・バイ」は陽気な二拍子にフィドルが絡むディキシーランドジャズ風なのが楽しい。舞台や銀幕音楽に通じる部分もある。興味ある方はお試しあれ。
 ブルーグラス。大元のルーツは、十七から十九世紀のスコットランドやアイルランド、英国の民謡的フォークソングらしい。これは中世の居酒屋であるパブやイン(個人的には、この辺の文化史の方がまだ得意?)といった飲食店、村の広場、お祭りなどで居酒屋座付き楽団や旅楽団がバラッドに類するクラッシック音楽から庶民に降りてきた弦楽の音楽を歌い演奏したものという。のちにアメリカ移民たちはパーラーソングと呼ぶ。
 移民と一緒に十九世紀にそのスタイルがアメリカに渡り、カントリーフォークと結びついて現在の形になったそうだ。その中心だった人の故郷の地名とバンド名からブルーグラスというらしい。構成楽器は一般的には、フィドル(ヴァイオリンやその仲間)とコントラバス(ポピュラー音楽の時はウッドベースともいう)、バンジョー、マーチンギターD-28、マンドリン、ドブロなどで構成されている。楽器を見れば分かるが、コンプリートなアコースティックというわけで、音の造りだけなら一部クラッシックのトリオやカルテットに通じるものがある。ただしボーカルやバンジョーなどが入るので、印象はかなり違うものになる。角度を変えれば、ジャズの原型にも聞こえる(あくまでわたし個人の感想。音楽分野の知識に精通しているわけでもないので、あとは詳しそうな他人さまのブログやサイトで、乞うご確認)。
 また前置きがとても長くなった。本題に話を戻そう。さてそんなお伴をイヤホンで流しながら、横浜の街なかや山手の丘を散策である。
 梅の状況はまずまず。下の画像を見ていただくとわかる。ちなみに余談だが、伊勢山の桜の芽は、ほんの少し枝先が丸みを見せていたので、準備段階に入ったようだ。
 梅は桜と同様に「木の花(このはな)」と古来より呼ばれてきた。理由は簡単、木に咲く花だから同じカテゴリーだったようだ。現代の目線からいえば、見た目だけでなくバラ科サクラ属なのでそう考えるのも悪くない(ただ昔に博物学の図鑑的な種別分類などなかったけど)。
 だから記紀神話に見られる桜の化身であるコノハナノサクヤヒメノミコトは、マイナー説ではあるが、梅の花の化身とも言われることがある(一般には木の花=桜のほうが有力)。まあ、梅は天神さまや水戸の徳川光圀さまってイメージのほうが一般的である。
 主がなくとも必ず咲き誇れと梅の木に語り掛ける菅公の有名な和歌もあるくらいだし、偕楽園は三名園のひとつに挙がっている梅の名所だ。
 その後山手の尾根道に向かって珍しく汐汲坂を上がってみた。元町からフェリスホールの脇に出る小径だ。さすがに急こう配はゆっくり歩いた。その後ベーリックホール、元町公園を抜けて、港の見える丘公園までウォーキングをつづけた。……が、ベーリックホールも、港の見える丘公園も、バラ園もすべて整備の日でほとんど花がない。しかもむき出しの土が見えていて、植え替えを待っているような状態や水やりのために縦横無尽にホースが張り巡らさせていた。花たちにとっては休息日といったところだろう。また元気になった花たちを被写体にしようと、神社さんでいただいた節分豆をほおばりながら帰路に就いた。
 ここで初めて、なぜ今回の花散歩の前置きが長くなったかがお分かりになったかと思う。主題に沿った話題が少なくて提供できないからだ。また改めて、みどり満喫のお話を近いうちにお伝えできればと思っている。それまでポールやアリソンの「アイ・ウィル」を聴いて楽しむことにする。でも今聴いているのは、加羽沢美濃さんがピアノひとつで奏でる「花のワルツ」である(これがすごくいいんだ)。

注・最近のオフィシャルなものはシエラ・ハルとカタカナ表記されるみたいです。(念のため)


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http://www.sierrahull.com/

https://alisonkrauss.com/
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37 私的で勝手な十九世紀考(少し真面目なお話3) [少し真面目なお話]

 ビクトリア期の英国を舞台にしたテレビドラマといえば、『シャーロック・ホームズの冒険』が有名であり、初見で1980年代初頭、十代のころに、一部私も見た覚えがある。数年前にも再放送をしてくれたので、記憶に新しい方もいるかもしれない。
 私にとってシャーロック・ホームズは、やはりジェレミー・ブレットである。本当はコナン・ドイルの原作では『緋色の研究(緋色の習作)』が第一話と聞くが、この英国グラナダテレビのドラマは未収録なのだそうだ。「美しき自転車乗り」、「斑の紐」、「赤毛同盟(赤髪連盟)」などは謎解きでわくわくしたのを覚えている。斑のひもは蛇だった。赤毛の高報酬求人はアリバイのためだった(と思う。あとで見直してみよう・笑)。
 ロンドンのベーカー街にはこのドラマのセットによく似たホームズの下宿先が資料館のようになっている(今もあるのかな?)。221番地Bという住所は本当はなかったと聞いたことがある(記憶違いの可能性もあるのだが)。でも丸い番地のプレートが建物の外壁レンガに張り付けられて、この住所表示をしていた。
 ドラマの中、暖炉の前で新聞を読むワトソンとパイプを吸うホームズのおなじみの光景はわくわくするものだ。ハドソン夫人の愛情や持ってきてくれる食事などにも当時の生活がうかがえる。またお茶と一緒に運ばれるお菓子やサンドウィッチが、「英国だなあ」などと感じた。レストレイド警部なども登場して、みればいつもの登場人物が揃う。
 もうちょっと書くと金融街のシティが登場し、フランスでの国際事件解決、ホームズの兄が高級官僚だったり、シーズン終わりの最終回で、宿敵モリアーティとスイスで滝つぼに落ちたシーンは心に残る名場面と言えた(あやふやな記憶のため一部違っているときは、スミマセン)。こう振り返ると、探偵ものも結構好きだったのかな? 機会があればまたゆっくり見直してみよう。
 こうした十九世紀の生活は、以前にも述べた映画『マイフェアレディ』、『ミュージックマン』やフランス映画で最近ミニシアターで見た『画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密』などにも描かれている。2006年公開の『ミス・ポター』も十九世紀後半から二十世紀初頭の物語だ。ちなみにモリゾは十九世紀フランス印象派の紅一点といわれることの多い画家である。印象派の相談役でもあり、兄貴分だった画家マネ。彼の弟と結婚した女性だ。実姉の夢を受け継ぎ女流画家として活躍した。ポターに関してはこのブログでは今更言うまでもない。
 ポール・マッカートニーの『No More Lonely Nights(ひとりぼっちのロンリーナイト)』のミュージック・ビデオに登場する回想シーンの舞台、衣装や馬車など、特定はできないが、この時代のように見えた(気がする)。自然散策とピクニックが流行したその光景が演じられているからだ。また彼は『ミュージックマン』の挿入歌『ティル・ゼア・ウォズ・ユー』をアコーステックな軽音楽風にカバーしている。これもいいのだが、ミュージカルアレンジのチェノウェスの美声もいい(シャーリー・ジョーンズ世代のみなさんゴメンナサイ。でも演技はシャーリーのほうがいいというあちらの評論を目にしたことあります)。どっちも甲乙つけられない。
 馬車やガス灯、鶏のように腰が出っ張った女性のドレス、シルクハット、ステッキと石畳の街並み。この時代のパリもロンドンもまるで映画に見る世界だ。湿板・乾板写真も(後付けだが、ホームズを見直したら、第一話は「ボヘミアのスキャンダル」で暗箱カメラ時代の記念写真が事件の発端となっていた)、いろいろな物語に登場するロンドン-エジンバラーを結ぶ超特急「フライング・スコッツマン」も十九世紀の名物である。十八世紀に登場したキュー・ガーデンも、このころには名所のように登場する。スコットランド・ヤードの名称が使われたのもこのころからである。わが国では1853年にペリーさんが来航と世界が少しずつ互いを知るようになったころである。そして1868年の明治維新である。
 現在も激動の時代で、日進月歩、世界や科学が進歩したり、変化する時代なのだが、十九世紀もそれなりに世界や科学が進歩していた時代といえる。そういった意味ではあの当時の新しく登場するそれまでの常識を打ち破ったアイテムや国交、芸術は現代に通じるものがあるのではないだろうか?
 なんで今回はこんな番外編を書いたかというと、先日横浜のイギリスパブで、フィッシュ・アンド・チップスを食べたからかもしれない。スモールサイズにしたのだがとてもおいしかった。食い気からのインスパイアと、なんともあまり高尚でない終わり方をするが、私のレベルなど所詮こんな程度である(笑)。そしておじさんになると楽しみなど、これくらいしかないのだ(再笑)。次回は久々の「私流よこはまの花便り」と行こう。ではごきげんよう。

「シャーロックホームズの冒険」準公式ファンサイト?(やっぱり、調べるとあるんだなあ) http://jeremybrett.client.jp/index.html

著作権の終わった原書からの翻訳をしてくれているサイトです。(もちろん無料)
五十を前に引退して養蜂家になったホームズの話『最後の挨拶』も載ってます。(必見!)
http://www.221b.jp/

モリゾの映画はこちらから http://ism.excite.co.jp/art/rid_E1433928019129/pid_2.html

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36 夜景・夕景の話 [写真 自然]

 十月も中ごろを過ぎると空気中の水蒸気が少なくなる。要は乾燥してくる。お肌には十分なケアが必要なのだが、夜景を写すには適するシーズンが到来する。晴れの日が多くなる十二月にもなると、空気もめっきり凛として澄んだきれいな夜景が写せるようになる。これは二月ごろ、粉塵が舞い始める春先の手前まで同じコンディションが続くので、写真雑誌などではよく夜景シーズンと題する特集をこの時期に組んでいる。ちなみに二月の中旬以降は、私は早春の花を追いかけるべく、また山野草の撮影に戻る。早咲きのヤマブキソウや二輪草、梅、ロウバイなどを求めて動き出す。
 夜景に話を戻そう。東京なら東京駅や新宿の摩天楼なども美しい。タワーやスカイツリーもいい。もし東京タワーを写すなら、世界貿易センタービルがおすすめだ。暖かい室内で三脚も許された撮影スポットなのだ。意外に知られていないようだが、貿易センタービルではアマチュア写真家ウエルカムのアピールをしているのでいかがだろう。特にご年配の方におすすめだ。
 前回の予告通り、横浜の夜景について少し述べたい。これぞ横浜というなら、やはりみなとみらいである。大桟橋や象の鼻パークなどに三脚を立ててビル群を写す人も多い。わたしも好きな構図だ。ほかにも三塔、赤レンガ倉庫、山手の西洋館群、中華街などを夜景で写している人は多い。
 またマリンタワーやランドマークの展望フロアから、脚なしで窓際にうまく固定させ、NDフィルターをかぶせて、長時間露光で船の光跡を写す人もいる。これはうまくいくと格別で、緑川洋一の作品のようなものを撮っている人もいる(ご立派)。
 私は山手とみなとみらいに恋する身なので目下、その両者を撮ることが多い。とりわけ山手の港の見える丘公園から大桟橋方面を写したものが好きで、何度とってもあきない。カップルのみなさんの邪魔にならぬよう、短時間だけお邪魔させていただく。今回はそれをアップしておく。マリンタワーと大桟橋が一緒に入る構図がお気に入りだ。
 今回も三脚を担いで、山手の尾根道を歩いたのだが、途中のエリスマン邸の電飾が今シーズンは美しかったので一枚出しておく。また今回の山手西洋館キャンドルナイトは三脚を出している人が少なかった(相変わらず人出は多かった)。なぜかと思ったら外交官の家がお化粧直しの最中で、キャンドルと西洋館を重ねて構図におさめられないためだった(なるほど)。
 また以前の夕景薄暮のベーリックホール(これお気に入りの時間帯のショット)、山下公園からのみなとみらいも出しておこう。これら半分は撮りためた中からのもので、今シーズンのものだけではない。そういう意味では貴重な昔のマリンタワーの夜景も載せておく。ちょうどクリスマスの日の撮影だ。ここでひとつ、役立つお話をお伝えすると、デジタルになってWBのタングステンモード(白熱灯モードでもいける時があるっぽい。あとは3200Kとか2800Kとかマニュアルで合わせてください)のついているデジカメで薄暮の瞬間を撮ると、いい藍色の空が手に入るときがある。もし興味がある方はお試しあれ(ただし機種により出ないかもしれないが、そこは上手に調整してみてほしい。レタッチとはまた違うやりがいのある楽しみだ。何度やっても、全部真っ青になって失敗したときは、縁がなかったと素直にあきらめて普通に撮ろう)。そして新年らしく、富士の夕景も入れておくことにした。そんなわけで今年もよろしく。いい年にしよう。

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35 三重の話 [世間話 イベント]

 前々から一度話題にしたかった三重のお話し。私の三重県ぶらぶら旅の多くは津、松阪、桑名と伊勢である。
 とりわけ桑名では、地口の類っぽい「そいつは桑名の焼き蛤」って言葉通り、本当に焼き蛤が食べられるのかと気になって、急きょ快速みえ号を降りた。駅から歩道橋でつながっている商業ビルの中に観光案内所があって、そこで紹介された焼き蛤を食べられる店に行った。地元でも人気のレストラン兼和食屋で上品なつくりだが、そんなに高級店というわけでもなく、庶民の私でも入れた。当時は機材が重かったので大きなキャリーバッグを引きずっての来店に、「これ全部カメラですか?」と仲居さんに驚かれたのを覚えている。
「本当に桑名は焼き蛤が食べられるのかを知りたくておりました」というと、「面白いですね。食べられますよ。東京の人ですね」と私の言葉のアクセントが地元ではないことにすぐに気づいたように笑顔で答えてくれた。正直本当においしいお店だった。
 津ではウナギが名物なのでそれを求めて入る。津のウナギは庶民的な食堂スタイルのウナギ屋さんで廉価で食べられるのが気に入った。
 この町では三、四回ほど駅近隣のビジネスホテルに泊まったことがある。駅ビルがローマ字の津、つまり「TSU」をさかさまにした「UST」という冗談のようなネーミングがうけた。地味な県なのにジョークは一流なのかとひとり笑った記憶がある。そこの地下の百円ショップには何度かお世話になった。立ち食い駅そばの感覚でチェーンの牛丼屋が駅舎にあるのも驚いた。町から少し離れた郊外にあるイオンまで歩いたこともある。
 松阪は伊勢市と同じくらい拠点にしている。宿にしていたビジネスホテルが駅前にある。松阪から伊勢市までの鉄道の車窓風景が好きだ。近鉄もJRもどちらもいい。きれいな川の鉄橋や稲穂の実りを味わえたり、遠くの山並みが美しかったりする。そして本居宣長の記念館や旧商家の保存建築に何度か足を運んだ。記念館は石垣を抜けて高台にある緑豊かな場所でいいところだ。残念なのは機会がなくて、松阪牛は現地で一度も食したことがない。どこに行けばあるのかも実は知らない(笑)。
 伊勢市に関しては、ここで私が言わなくても、十分知られている。おかげ横丁や内宮さんの参道であるおはらい町、外宮さんの参道周辺の伊勢市駅前などの商店の数々。赤福さんはもちろんだが、フルーティな清酒おかげさまさん、ヒノキの桝でカウンター飲みをできる白鷹酒造さん、お土産やお食事の岩戸屋さん、内宮広場に面したバス待ちに便利な勢乃国屋さん、有名和菓子の神代餅さん、二見の名物御福餅さん、ういろの伊勢虎屋さん、糀屋の黒蜜プリン(食べ物ばかりだが、そんなに頻繁には入らない。いくたびごと順番に一、二店お邪魔する程度である)。赤福は季節のしおりカード欲しさにお伺いしている(もちろんおいしいからでもある)。盆という注文方法が面白い。
 そしてなんといってもおかげ横丁の土産物店ではとても大きなおにぎりせんべいが、伊勢限定で買うことができるらしい。おかげ横丁の中にある劇場前の土産物店にあるそうだ。わたしもまだ確認をしていない。現物はマスヤの方におにぎりサミットのときにいただいた。
 河崎の街並みが散歩にはまたいい。古民家カフェなどもあり、ノスタルジックな雰囲気を味わえる。木造家屋の香りの中で散歩を楽しむのが格別だ。伊勢市や宇治山田の駅前から徒歩で行けるのもいい。
「おいないな」や「よいとこせ」などの言葉も初めて訪れたときは、とても新鮮だった。いまでもたまに聴くと関西弁でもなく、東海地区とも少し違う独特の雰囲気がある言葉だ。田舎あられのお茶漬けや宮川のアユなど他にも紹介すべきことはたくさんあるのだろうが、この文章を見て、読んで、興味を持った方はガイドブックを読んでみてほしい。別に昔の彼女の名前がミエさんでもなければ、三重県出身でもない私だが、お気に入りの場所である。行けばそれなりに素朴な田舎の良さや風情が味わえる旅になる。三重だけに二重マルを超えて「さんじゅうマル」の旅であろう(ダジャレでスミマセン)。
 おにぎりせんべい大使になったこともあって、今回は私の三重県所感をテーマにして思い出話をした。写真はかつて三重で撮影したものを引っ張り出してみた。三重県、おすすめだ。年明けの次回は横浜の夜景の総集編をお届けしたい。いつものごとく、気力が続いていればの話なのだが……(笑)。ではみなさんよいお年を。

再整備できれいになった伊勢市駅前
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近鉄名古屋駅の掲示板
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川曳きの様子(五十鈴川)
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陸曳きの様子(おはらい町)
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赤福ぜんざい
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やっぱりおにぎりせんべいでしょう!
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34 私流よこはまの花便り7 -紅葉編- [写真 自然]

 横浜は街を歩いていると気づくのだが、イチョウが多い。海岸通りから山下公園通り、日本大通り、バス通りの桜木町から本牧に向かう本町通りなどはみなイチョウ並木だ。昔、日本大通りが歩行者専用の通りだったころは、イチョウの木々をバックに、テニス(スカッシュだったかなあ?)をやる人が多かった。広い通りなのでちょうどよかったのだろう。ラケットやフリスビーの貸出業者の小屋もあったと思う。バブル前ののどかな時代の話だ。
 なかでも日本大通りのイチョウはひときわ立派なものだ。今回は旬を逃してしまい、すべてが黄金色の並木を撮影することはできなかったが、神奈川県庁とイチョウのショットや山下公園通りのイチョウとマリンタワーなどが撮影出来た。晴天にも恵まれ、ようやく撮影日和と出会えた。
 相変わらず、いつも通りに、歩道に落ちた銀杏(ぎんなん)の実をバキバキと踏みしめながら歩かせていただいた。もう少しすると、銀杏は果肉の部分が干からびて、中の食用にする殻が取りやすくなる。すると年配の方たちが、頃合いを知っているようで拾いにやってくる。「落穂拾い」ではなく「落ち銀杏拾い」の光景が街なかのここかしこでみられるようになる。
 今回は山下公園の氷川丸の前にあるバラ園に多くのバラが咲いているのに驚きだった。まあ、冬でも咲く品種もあるのは知っているのだが、晩秋の横浜であれだけ開花が多いと壮観である。
 その後脚力増進のため(?)、いつものように山手の尾根道を歩いてきたのだが、途中でいただいたパンフレット(チラシ?)には、西洋館恒例の世界のクリスマスという展示とイルミネーション点灯のお知らせが載っていた。楽しそうだ。
 一方桜木町のアーケード内では、チャイコフスキーをテーマにしたクリスマス展示も行われているようだ。あそこのツリーもきれいで、ドックガーデンの夜景と合わせて、昔はよく撮りに行った。
 夜景のきれいなシーズンである。横浜市内の各所は本当にイルミネーションでいっぱいになり、宝石や星空のようである。ロマンチックな冬の夜を素敵なお相手と見に行ってはいかがだろう。
 そして利発なカップルのみなさんには、ぜひO・ヘンリーの『賢者の贈り物』のようなお互いをいたわりあうことができるカップルになっていただきたい。老婆心。
 そんな多くの恋人たちがロマンチックな夜を迎えているそのころ、私はカメラを片手に、一人夢中になって、そしてまた場合によっては一脚、あるいは三脚を携えて、大桟橋や山下公園、三塔など、いろいろな場所をうろちょろしているかもしれない。時にレンズを変え、時にiso感度を考え、はたまた手もみカイロで温みながら夜景を写している。「頼みもしないのに、ごくろうなことで……」というねぎらいの意味ではないと思われるねぎらいの言葉をいただける予感がする(笑)。
 そんなわけでこの秋最後のイチョウや紅葉を写真でご覧いただきたい。今回はなぜか縦位置が多いが気にしないでほしい。そして青空を堪能してほしい。私の作品意図に青空は主要なテーマの一つである。ではメリー・クリスマス!

横浜公園の日本庭園にある木々の紅葉
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日本大通りのイチョウ
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日本大通りのイチョウと神奈川県庁(キングの塔)
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山下公園のバラ園と氷川丸
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マリンタワーと公園通りのイチョウ並木
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ブラフ18番館と庭のイチョウ
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33 イベントの話-馬車道を馬車がいく [世間話 イベント]

 各地のイベントやお祭りの写真をお撮りになる方は、わたしも含めて多いと思う。とりわけ十九世紀西欧ファンと記紀神話ファンのわたしにとって、横浜のいくつかのまつりはちょっとした和洋折衷の興味深いイベントだ。
 先頃訪問した馬車道まつりはまるで印象派やロマン派の絵画の世界が再現されているようで、見ていて楽しい。絵画作品を鑑賞する際には、当時の乗り物、日用品、衣装や装飾品、装備品などを知ることで、絵画の鑑賞や解釈のうえで、理解するのに役立つこともたまにある。ちょっとした発見に繋がれば、イベント見学も意義のある学習行為だ。
 時期を同じくして、最近、十九世紀のクラッシック音楽の作品も鑑賞できたので満足である。心が満たされるというのもありがたい。もともと大好きな曲である「ラ・カンパネラ(カンパネッラ)」を改めて気に入ったこの秋である。他にもリストといえば「エステ荘」など町や景色、情景を感じさせる美しい曲をたくさん持つ。クラッシック音楽に関して、私はただ音楽を聴くだけの人なので、曲や作曲家の背景やいきさつなどは知らない。
 彼は一般に文学や絵画と結びつく標題音楽の代表格に挙げられる。これについての詳しい内容は知らない。でもベルリオーズやリストに感謝(笑)。
 話を戻そう。この日は朝から馬車が馬車道を何往復もするし、英語で「リックシャ」と言われる人力車も登場する。さながら明治や幕末の横浜の町の社会を小さいながらも再現している。そして神奈川県立歴史博物館のゆるキャラマスコットも登場して練り歩き、その両脇には露店やメリーゴーランドも並ぶ。
 歴史的にも意義のある神社などのお祭りはよくお邪魔するのだが、この手のパレード系街頭イベントで、複数回訪問した記憶があるのは、鎌倉まつりとこの馬車道まつりくらいである。しかし馬車道まつりの詳しい経緯は知らない。通りの名については、横浜の居留地や船着き場と日本人の住む街を往来する西洋人の馬車が行き交ったことで、馬車道という名が残っている。もちろん現在は自動車が走る道で、馬車など走らない。
 根岸森林公園の一角にはJRAの馬の博物館もあるので、なにかと馬に縁があるのだろう。ちなみにわたしはその博物館内にお邪魔したことはない。近くにある遺構として残る根岸の競馬場跡を撮影したことはある。立ち入りが許されていないため、いまは外観しか味わえないが、当時は洋風のステキな建物であったことがうかがえる。それこそ映画『マイ・フェアレディ』の世界であろう。
 今回のもうひとつの話題は、イベントという意味では、こちらもイベントの一つである。実はこの度、三重県伊勢市にあるマスヤという菓子食品会社のイベントで「おにぎりせんべい大使」に就任させていただいた(希望者の中から抽選で選んでもらっただけのことで、ありがたいお話ではあるが、たいそうなお話ではないので勘違いしないように)。
 スーパーなどでお見かけになったこともおありだろうが、マスコットキャラクターのおにぎり坊やでおなじみのスナック菓子が主力の庶民的なヒット商品を作る会社である。もう少し説明すると、伊勢神宮内宮の参道であるおはらい町の通りで、江戸の頃より名物みやげとして知られてる『赤福餅』を売る有名なお店、赤福の関連会社である。
 昨年、おにぎりサミットという同社のイベントに参加させていただいて以来、「おにぎり倶楽部」というファンクラブ(?)を通してのお付き合いなのだ。三重県フリークのわたしにとっては、洒落や座興の類とはいえ、嬉しいお役目である。ウェブの片隅などを使ってPRを展開することもあるので以後お見知りおきを。
 私流なおにぎりせんべいの食べ方としては、松阪にある伊勢フーズの海苔の佃煮をおにぎりせんべいの上に少しのせて、ちびちびと白鷹を流し込む。あるいはスコッチでクリームチーズをのせたおにぎりせんべいというのもありだ。
 商品のために、販売イベントもやっているようで、可愛いマスコット(最近はゆるキャラともいう)、おにぎり坊やが街頭に出て販売することもあるらしい。目にした方は一緒に写真でもとられてはどうだろう。
 ただし、中部、東海地区が圧倒的に多いらしく、関東地区でおにぎり坊やを見られるのは希だと前回のサミットでうかがっている。どうやら関西と中部地区では生活に密着したおやつなのだということらしい。関東地方や東北地方ではまだまだこれからの認知度アップらしい。わたしも余暇を使って、遊びの一環として大使の役目を行っていくつもりである(笑)。簡単な大使としての名刺も作ってもらえるらしいので、知人の方でその名刺が欲しい方は、わたしと会ったときはリクエストして欲しい。ぜひ差し上げよう(わたしの名刺など欲しい人はいないような気もするが・笑)
 そんなわけで、ゆるキャライベントの握手撮影会というのはわたしはあまりいかないのだが、愉しめる要素が満載と言うことも、昨年のサミットを通して理解出来た。自分で撮影するも良し、お目当てのイベントでゆるキャラといっしょに撮影してもらうも良し、写真は記録媒体としての役目もあるが、記憶媒体(=思い出)でもあるので、楽しみを味わう道具でもある。
 最後に伊勢と横浜の共通話題を提供すると、先ごろの式年遷宮で立て替えのすんだ伊勢神宮の以前のご正宮の建物はなんと横浜に来ることになっているという話だ。サクラのお伊勢さま、伊勢山皇大神宮の神さまがお使いになるらしい。かつて訪れたことのある建物と、こんな身近で再会出来るかも知れないのだ。これで両者を繋ぐまとめ話として、お話のいい落としどころになった。なので今回はこれで失礼する。-ジョワイユー ノエル- よいクリスマスを。


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クラッシックスタイルの馬車
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ボックスタイプの馬車

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森林公園にある競馬場の遺構
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おにぎり坊や
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ハマのお伊勢さん(桜のころ)
 

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32 帰ってきた写真ギャラリーめぐり-横浜の百貨店ギャラリー [写真 自然]

 予告通り横浜の話をしよう。しかし今回は山手でも山下公園でもない。つまり、桜木町や石川町界隈ではなく、巨大ターミナル駅、横浜駅界隈の話だ。
 横浜駅前にはバラの包みの百貨店がある。「ヨコタカ」の愛称で知られている。その百貨店の催し物会場で、北海道物産展の美味しそうなにおいをかきわけながら、着いた先が今回の話題である。
 シロクマの親子の遠望する姿を写した微笑ましい姿がチラシやポスターになっている。そう星野道夫の特別展である。
 個別的には、それほど詳しくは知らないが、わたしの知識の中では星野道夫という写真家は、たぐいまれにみる「知的なつわもの」というイメージだ。もし生まれていたのが古い時代なら、深田久弥や小島鳥水のような自然文筆家の仲間入りをしていそうな人物である。現代に生まれたために、野生の生態系や自然観察を写真におさめる職業についたようにも思う(あくまで個人的な所感である)。
 この写真家は育ちも良くて、秀才肌、それでもってワイルドな特性を持つ。しかも優しそうな顔立ちに、女性だけでなく、同性の私たちにも親しみやすそうに見える風貌だ。動物の生態を学ぶためにアメリカに渡って学校に行くなどの努力の人でもある。作品だけを見ていたら、そんな興味深い「人となり」を忘れてしまいそうだ。
 最近のテレビ番組では彼の著書である『旅をする木』についてのエピソードを教えてもらった。とある古書店で売られていた、タイトルの「木」の字に、ペンで一本棒を書き足された一冊のこの本。『旅をする本』とタイトルがなっていて、実際にその一冊が探検家の懐を何度も渡り歩いているという。現代版わらしべ長者のようなお話だった。
 この写真展では様々な作品がいくつかのジャンルに分かれて展示されていた。星野の人物を被写体にした作品なども貴重なもので興味深い。中でも、私が「いいなあ」と思ったのは、スライドフィルムの作品だった。アザラシやリスが時系列におさめられた作品のフィルム。それが、後ろからライトを当てられて見ることができるようになっていた。その構図と味わいが、説明しようもない「いいなあ」という感想になったのである。
 写真の他には愛用品の数々も展示されていて、カメラファンには懐かしい旧大井町のFE(FMの兄弟分で電子制御のAE化したもの)や、ブロ二ーフィルムの最大面積を使用する旧板橋の6x7も展示してあった(そりゃ情報量が多い=面積が広いのだからきれいな作品で残っているわけだ)。それらであのクジラや鳥の一瞬を切り取っているのかと思うと、お勉強だけではなくて写真の腕も最高に確かな人だと納得した。
 自然を写す人たちは、やはり写真の知識と同様に被写体の知識にも精通している人が多い。星野道夫もそういった天才肌で、かつ努力家の人だったのだろう。写真展のほうはまだ始まったばかり、今月末の日曜日までやっているようだ(2016年10月30日で終了)。お時間のある方、興味のある方はのぞいてみてはいかがだろう。会場の周りは北海道物産展で、サケやイクラ、昆布、チョコレート、乳製品、あずきがわんさかあった。そっちもいける口の人はなおどうぞ(当たり前だが、私は「ヨコタカ」とは一切無関係の人である・笑)。
 帰りにランドマークタワーの展望フロアに行ってきたので、そこから撮ったものを数枚お披露目しておこう。なんか前回から高層ビルが続いているが、たまたまのことである。「サルとなんとかは高いところが好き?」。いやいや、私は平坦な場所が好きだ(笑)。ランドマークから山下公園や赤レンガを見るとこんな景色である。ではまた。

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31 写真文化にひたる散歩 [写真]

 ずいぶんと更新が途絶えてしまった。ちゃんと生きている(笑)。暑さもおさまり、過ごしやすい季節となった。最近の余暇活動は写真文化の知的探検(?)をやっていた。例えば、末広町にあるLOMOGRAPHY+をご存じだろうか? もう、トイカメラなどと言えないような、簡易的ながらも本格的なフィルムカメラが並んでいるお店だ。一般的な写真店舗やカメラ屋さんではあまり見かけない商品も多く扱っている。
 なぜわたしがこのお店に興味をもったかといういきさつ。それはワンテンカメラについて調べていたためだ。場所はかつて、タムロンの写真展でご紹介したことのある3331アーツチヨダという、廃校を活用したギャラリーの一室である。
 かつてコダック社を中心に昭和五十年ごろに一世を風靡した「ポケットカメラ」という商品があった。そのカメラに入るフィルムは、パトローネの部分がメガネ型になった形のマガジン式フィルムだった。その規格数値「110」から「ワンテン」と呼ばれていた。子供だった私を含めて、一般の人たちとは異なり、写真店では「ポケットカメラ」というより、ワンテンカメラと表記されることが多かったことを覚えている。当時は35mmよりも装填、装着が簡単なことで普及していた。
 そのフィルムは一度ディスコンになったのだが、規格としては生きているため、どこかでわずかながらニーズが生まれるらしく、細々と復活したという情報を風のうわさで聞いたのが夏前であった。時間ができた最近、そのニュースを確かめるべく、そこに参上したというわけである(長いいきさつと説明に恐縮である)。
 その店にたどり着いて、ホルガやほかのカメラを含め、二眼レフなどのスタイルをしたローライ風のものが私の目をひく。もうすでにワンテンカメラのことなどどこかに飛んでしまっていた。ほかにも、トイカメラなどと呼んでは失礼なものがわんさか飾ってある。決して広いわけではない店内がおもちゃ箱や宝箱に見えるから不思議だ(ただしもうフィルムをやめてしまったので興味だけの散策に終わってしまったが)。興味のある方はぜひ、いちど訪問してはどうだろう。御徒町か末広町が最寄り駅になる。お店の人に許可をいただいたので、店内の写真も一枚、3331アーツチヨダの写真と一緒にアップしておく。
 時を別にして、いつもは旧下丸子のイベントなどに行くことの多い私が、その日は「P」のつくブランドのイベントに初めて(たぶん)参加した。新宿の秋晴れの下で、ゆるくお散歩しながら公園までメーカーの方とだべりながら時間を過ごすという内容だ。結構気に入った(笑)。拘束力もなく、モデルも、動物も、アトラクションも登場しないゆるい散歩。おおいにかのブランドの話で盛り上がった。「お相手をしてくれたメーカーのみなさん、お疲れ様でした。また貴重なお話ありがとうございました。写真ファン、カメラファンには楽しい時間だったと思います」と御礼の言葉を忘れずに加えたい。
 その時の写真と帰りにとった東京タワーの夜景を載せて今回は終わりにしよう。次回はちゃんと横浜のお話に戻るのでよろしく。ただし、いつものごとく、書く意欲があればのお話なのだが(笑)。
 そして一つお知らせである(私事で恐縮なお知らせだ)。先日の写真展の会場のほうから、「春の写真展をやりませんか?」とお誘いを受けたので、前向きに検討している。やる気はある。いやいや、やらせていただけるのであれば、感謝感激である。前回とはうって変わり、今回は真面目なテーマを持たせずに、単に軽く、シンプルに「春」を主題に、来春やらせていただくことにした(あちらのリクエストも考慮の上で写真は選ぼうと思う)。花をメインにしていろいろ検討中である。こちらもカメラメーカーさんのイベントに負けないくらいゆるく写真展を行う予定である(笑)。
 そして、写真展でご署名、記帳していただいた方がたには、この場をお借りして厚く御礼を申し上げたい。愚作、拙作へのお褒めの言葉もったいない限りである。お暑い中のご訪問に感謝。

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30 私流よこはまの花便り6 と中古カメラ店散歩 [写真 自然]

 前回とはうって変わって、のんべんだらりと気ままなブログに戻らせてもらおう。主題の伴わないぼんやりした内容も好きだ(笑)。お気に入りのミュージカル挿入歌、「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」などを鼻歌して回るフランス山のバラ園。何が嬉しいって、念願の青空のイギリス館をおさめることが出来たことだ。このわたしの大きな喜びに、他人さまが過小評価に感じてもいいのだ。過去にここまで青空のイギリス館の画を手に入れることが出来たのは少ない。わたしの中では九十点以上の出来だ。
 この日はアメリカ山のヒマワリも、おてんとうさまと一緒にニコニコ顔で出迎えてくれた。とてもご機嫌な日となった。
 最近は鼻歌のレパートリーが増えて「アイ・クッド・ハヴ・ダンスト・オール・ナイト(邦題・踊りあかそう)」なども口ずさむ。わたしが歌うと、ちょっとこぶしがきいてミュージカルっぽくない(笑)。残念だ(再笑)。これはスタンダード・ナンバーなので、ヘップバーンの映画の吹き替えの人やチェノウェス、キャサリン・ジェンキンスのもの、新妻せいこさんのもの、ジュリー・アンドリュースのもの、インストゥルメンタルアレンジの『名曲アルバム』という番組のものもみんな好きだ。この手のいかにもミュージカルって言うアレンジに惹かれる。まあ、わたしの好みなどどうでも良いか……。
 花いっぱいの山手の公園を回っていると、先のミュージカルの二曲の舞台、十九世紀ロンドンのコヴェント・ガーデンの花き市場や、ほぼ同じ時代のアメリカ・リバーシティのシティホール近くの吊り橋のかかる庭園にいる気分だ。ある意味ではわたしは安上がりな男である。そんなわけで鼻歌も出てくるのだ。フレデリック・ロウとメレディス・ウィルソンに感謝である。
 実はブログを始めて三十回の記念すべき(?)記事だ。だからといってなにもない。普通に写真と文章で山手の公園の解説と、思いついたことを述べるだけだ。よくもまあ、へたくそな記事を発信してきたなあとだけ振り返っておく。少数ながらたまにniceをくれる方々には感謝である。
 また今回はエキストラ記事もつけよう。とても暑い日に東京へ行く用事があったので、帰りに(まだ午後の暑い時間)、以前なにかのテレビ番組でやっていたのを思い出して、等々力渓谷に行ってみた。確かに谷底は地上よりも涼しかった。岩肌からしみ出る湧水の下は小さな湿地を作っていた。湿性植物のシダ類が多くみられたので、上手くやれば貴重な湿原の植物が育つかも? などとわたしらしいアホな考えをしながら歩いてきた。実際にはいくつものハードルをクリアしないとそういうことは実現しないのも分かっているのだが、希少な野生植物が好きなので、そっちの方向の事ばかりである(笑)。渓谷の景色も数枚だけ撮ったので、それもおまけでアップしておこう。
 一時は諦めていた中古カメラ店めぐりを再開した(当然買うわけではなく、ウインドーショッピングだ。なぜか日本語にすると「ひやかし」と揶揄される言葉になる)。以前このブログでも述べたが、銀座や新宿は終日かけて回るほどあった多くの店も数えるほどだ。頑張っている店はそれなりにお客さんの信頼を得ている。そして買い替えをする際には、ちゃんと同じ店に戻ってきてくれるように努力をしている。売りっぱなしではない。べたべたではないが、頼りにはされるよい関係を築いているのだろう。カメラ店や写真店だって守りたい写真文化のひとつだ。
 話を戻すと、近年、デジタル家電店の中古カメラ売り場というのが多くなった。そこを回ると、結構な数があることがわかり、舞台は秋葉原近郊に変わった。…とはいってもこれらの店があるのは若者や免税関連の外人さんで賑わう秋葉原の中心地ではない。周辺地区に多い。場所的には、彼らとの棲みわけが出来てちょうど良いかもしれない。おおよそ御徒町や神田との境になる。ここでは岩本町や末広町を秋葉原に含めて許されるなら秋葉原と言おう。
 もともと秋葉原は学生時代にオーディオを見に行くことが多かったし、それ以外では年末に家電製品やパソコンを買う場所で、いまの若者のようにつるんで遊びに行く場所では無かった。もっというと幼少期は交通博物館である。わたしはそういう世代である。でも時代ごとに進化する街っていうのも良いかもしれない。街が元気というのは良いものだ。
 わたし個人的には、現在これらの店舗で売っている商品の商品名すら分からないので戸惑う。浅草橋で売られる人形とは違う人形が飛ぶように売れ、神保町でみるトランプやカルタとは違うカードが数多く売られる店々である。何に使うのか、どうやって遊ぶのかとんと見当もつかない。時折電子部品やパーツ、蛍光灯、オーディオパーツなどが売られる店の前を通ると「ああ健在なんだ」と嬉しくなる。きっと世代によって秋葉原のイメージは違うのかもしれないと感じた日だった。
 秋も近くなった。もう少しするとわたしの被写体は花から夜景に変わる。どちらも横浜を写す楽しみだ。だが秋が近いとは言っても、まだまだ暑い日もあるし、台風もある。みんなが楽しくいられることが一番である。いつもこのつまらないブログを読んでくれている皆さんが、健やかに楽しくいられるよう願っておわりにしたいと思う。三十回分の感謝とともに。


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アメリカ山公園のヒマワリ
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111番館
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イギリス館とバラ園
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等々力渓谷のゴルフ橋
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等々力渓谷
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等々力渓谷の木々