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64 私流湘南の花便り 3 [私流湘南の花便り]

 寒暖を繰り返し春らしくなってきた昨今だが、気を抜くとすぐに寒い日もぶり返す。侮れない季節である。
 今回は小田急江ノ島線の本鵠沼駅近くにある長久保公園都市緑化植物園へと出向いた。引地川の川辺にある小さな植物園である。この植物園はそれほど有名な植物園ではない。大和市の泉の森や大船のフラワーセンターという大規模な自然植物園が近くにあるからかもしれない。埋もれてしまいがちだ。しかしこの植物園はある意味穴場だ。
 催し物、学習講座、園内の展示内容、どれをとっても一般レベルをクリアしている本物を感じられる植物園である。社会教育施設としての機能もしっかり私の目にはクリアしていると感じた。
 少し施設をご紹介しよう。花のプロムナードと呼ばれる温室兼事務所管理棟のある花壇庭園エリア、その横の河川寄りに迷路のような池垣見本園(本当に子供が迷路遊びを楽しんでいる)、渓流広場から睡蓮池は鳥撮りのフォトグラファーが三脚を並べている(結構野鳥が多いことでも知られている)。藤棚から菖蒲池は、ボードウォークを歩いて初夏五月過ぎに花盛りとなる場所だ。
 今の時期に花が見られるのが、樹木見本園。梅やカンヒサクラ、ボケなどが咲いている。あと少しで桜が園内をうすいピンクにしてくれる。ほかにバラ園やハーブ園などもあり、意外に花好きの集い場になっている。
 管理棟で、今回は雪割草の展示があったので、それも撮っておいた。高山植物のため、なかなかお目にかかれない花だ。それを園芸品種にして栽培している方々がいるらしい。桜草の仲間だが、桜草のように一面を覆う美しさではなく、岩場でひっそりと気品のある気高さを持った花である。こういう花の類いにも、私の好みのベクトルは向いている。
 歌の影響からかエーデルワイスが高山の気品ある植物のようなイメージが世間では浸透している。私には見た目、エーデルワイスの花はイメージとして翁草のいとこくらいに感じている(品種的に近いのかどうかは知らない)。間違いなく白くて美しい花ではある。しかし高山の愛らしい気品のある花と言えば、雪割草というのが私のイメージである。
 樹木見本園の奥には 展望広場という築山があり、ここのヤマザクラが割とお気に入りである。ほかにも低木のツツジ類などが季節になると良い香りを放つ。この展望台からは江ノ島とシーキャンドルも見える。まさに湘南に来たという実感ができる場所だ。
 この植物園の特筆すべきことは、鑑賞者や利用者に対して、学習面でとてもまじめであり、親切であるということだ。具体的には、名称板、案内板の設置数が群を抜いて多い。たとえ同じ品種であっても、場所が微妙にずれているときはちゃんとそれぞれに名称板が表示してある。これなら植物に疎い人でも毎日、この植物園を散歩しているだけで町の「植物博士」になれてしまう。まじめに利用者に植物の種類を教えてあげたいという気持ちが見てとれる。生涯学習活動の応援になる植物園である。
 ここまで書いていて、文章を見直すと、教育施設などへの提出レポートの文章の調子になっている。ちょっだけ柔らかい、いつもの文章に戻そう(だめだめな意味のない馬鹿まじめで融通の利かない、世間ずれのわたしそのものになっている・笑)。
 少しやわらかい話に変えよう。この近くに富士見橋という橋があり、その橋のある通りに湘南Tサイトという新しい町(街区)ができている。以前は大手家電メーカーのテレビ工場があった場所だ。カメラのルミックスや音響のテクニクスといったブランド名を持つ会社だ(ここまで言えば一目瞭然だがあえて伏せてみた・笑)。工場が稼働していた頃は大きな看板もあったので、ご存じの方も多いだろう。湘南国道134号線から保土ケ谷、横浜方面に向かうときは、この道がメインだ。昔は大きな看板を持つその工場がランドマークだった。
 このTサイトの中のショッピングモールにはカメラ店(きたむらさん)やツタヤ書店、そのほか雑貨店など趣味の店舗も多い。店舗を含めた未来指向の一戸建てニュータウンを形成している。小田急の駅とは反対の方向になってしまうが、辻堂駅までハイキングがてら歩くつもりならいい運動になる。通り沿いにはヨークマートやファストフードも多く、一休みの場所にも困らない。辻堂方面に抜けてしまえば、辻堂駅直結の湘南テラスモールという巨大なショッピングセンターもあり、おしゃれな町に大満足である。あとは東海道線で帰宅の途につけばオーケーだ。
 この植物園、陽だまりの園だった。子供たちが自由に遊び、親はそれを見ながらくつろぐ。老人たちは集い、互いの無事と故障箇所を笑顔で慰め合う。久々の観光地ではない植物園。これはこれで優しさと愛情、幸せのお裾分けをしてもらったような気分で園内散策を楽しめた。
 幼少期に祖父に山遊びを教えてもらった頃に、よく見かけた木の花、梅やヤマザクラは早春の里の風景を思い出させてくれる。
 その風景は季節を通して、山菜採り、キノコ採り、ユリ根ほり、小柴がりをして、カブトムシ、カミキリムシ、クワガタムシ、サワガニ、ドジョウ、メダカと戯れることができた。みんな楽しいイベントで、そんな山の仲間たちがいつもいた(笑)。
 里山も良いが、今のこのあたりの子供たちが自然を愛でるなら歩きやすい、アメニティの整ったこの植物園もおすすめである。植物園なので、採集はさすがにできないが、木々の香りや水の香り、風を味わえる。都市部にありながら、自然と対話ができる。素敵なことであり、大事なことである。植物、みどり、山河、海。これらを身近に感じることができる湘南の植物園、自然に感謝である。
 もし江ノ島観光に行くことがあれば、小田急線の片瀬江ノ島駅の二つ手前の駅、本鵠沼で途中下車してみるのもありだ。特に落ち着いてのんびりしたい人には最適である。それでは、また。ご機嫌よう。


梅 
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雪割草
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サンシュウ
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ボケ
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江ノ島遠景
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長久保都市緑化植物園 
http://nagakubo-kouen.jp/

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