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76 オルガンの歴史と修理、そして学習-生涯学習としての考察から- [リベラルアーツっぽい話]

 先日一日かけて、東京一周の敢行をした。なぜ敢行という単語を選んだかというと、最近は一カ所にしか行かないことが多いからだ。今回は、溜池山王、浅草、表参道、渋谷と地下鉄を乗り継いで都内を回った。赤坂近辺はもう二十年ぶりに降りた感じで、タイムマシンに乗ったみたいだった。かつての古い社屋やマスメディアでTBSの社屋は見たことがあったが、初めて溜池山王駅の高台から本物を見た。これで在京キー局で社屋を見たことがないのは、テレビ東京だけになった。テレビ東京はタワーの下にあった頃はよく拝見したのだが。
 代々木公園の国民放送は原宿に行くときよく見かける。汐留の日本テレビは銀座に行く途中で見る。六本木のテレビ朝日は六本木ヒルズの用事の折りにたまに見かける。お台場のフジテレビはメガウェブというトヨタ2000GTが展示、走行する自動車の博物館に行くときによく見かける。今回東京放送は、新しい社屋を遠方からだが初めて生で拝見した。
 この日はどこに行っても都内は混んでいて、特に銀座線は満員状態で、雨にもかかわらず外国人観光客の多さに目を奪われた。久々の諸用としては、カワイ楽器のオルガンビルダーさんの講演説明会と、約二十年ぶりに文章好きの皆さんの会合というのがどんなものかを見学に行った。主催者はもちろん過去のものとは異なる。二十代の頃は、文学やエッセイ、文章教室などの人たちが集まるような、こう言った会合にぽつぽつと出かけることもあった。現在、アマチュアも職業の方も参加する文章好きの集いがどんな風に変わったのかを見てみたかった。いわば社会勉強、あるいはリハビリ(?)である。
 では本題の楽器の話。表参道は青山寄りにあるこの店舗。落合恵子さんのクレヨンハウスの近く、同潤会アパート跡に出来た表参道ヒルズのはす向かいに、カワイ楽器さんの表参道ショールームはある。お洒落な場所で、どうも下町ばかり行くことが多い私にはもったいない、何回来ても場違いなイメージを受ける町だ。そこの三階に特設の会場をつくって会は催された。
 オルガンビルダーは大工さんに近い仕事をします。冒頭のそのお話にちょっと面食らった。確かに、そういう部分はあるのだろうなと察しはついていたが、ご本人からの直球表現に納得する部分と予想以上の重労働に驚かされる。
 まずは電子楽器と鍵盤配置が似ていることから電子オルガンとの比較から入ってくれる。ドリマトーンとかエレクトーンとかいうやつである。前者がカワイ、後者がヤマハ、あと松下電器音響部門ブランド、テクニクスのテクニトーンや、日本ビクターのビクトロンなんて言うのもあったなあ、と思い出に浸る私である。カワイのドリマトーンは昔、神宮球場の名物だったらしい。何に使っていたのかは私は知らない(笑)。
 通常これらの楽器は、上下の鍵盤で伴奏、主旋律、足鍵盤でベース音を弾くのだそうだ。だがパイプオルガンやチャーチオルガンと呼ばれるものは、どれがどのパート用という区分けをしているわけではない。足鍵盤が主旋律を弾く曲もあるそうだ。そして実際に演奏を聴かせていただけた。
 また大きなパイプオルガンの修理の模様もスライドなどで見せていただき、分解からリペアまでおおよそ5,6人程度の人数で行うのだそうだ。オルガンの規模にもよるため、小さなものだと最低人数の二人ということもあるらしい。
 またパイプは金属といえども亜鉛や柔らかい金属素材で出来ているため、簡単に変形してしまうようで、そのおかげで微調整の調律が可能になっている。軽くとんとんとたたくだけで、音色が簡単に変わってしまうという。
 有名なパイプオルガンのメーカーはフランスやドイツなどにあるというが、専門の学校があるのはドイツだけなのだそうだ。ほとんどのリペアマンは、親方から実地で教わっていくという。そのためマニュアルや教本などはほとんど無く、勘と経験が生きる世界らしい。
 チャーチオルガンは大仕掛けのパイプオルガンを準備する程でないときに使ったり、それほど大きな教会ではなく、パイプオルガンの設置の必要のない教会で使われているという。またヨーロッパ製のものは伝統的な作りが多く、アメリカ製のものは、音楽産業にも対応できるように調整がされているという。素人目で恐縮だが、ピアノのベーゼンドルファやベヒシュタインの欧州勢とスタインウェイのようなアメリカンと考え方で良いのだろうか? ジャズでスタインウェイを弾くピアニストがいても、あまりステージでベヒシュタインを奏でているのを目にしたことはない(あくまで素人の個人的感想です)。きっと使えなくはないのだろうが、イメージがないというのが本当のところだ(調べたらいたいた。大物だ。オスカー・ペーターソン。ベーゼンドルファーの鍵盤を余す音域無く操る『鍵盤の帝王』だったね。今トリオ・アンサンブル聴いてます。こういうイメージ外を探すのも好きである・笑・括弧内、後日加筆しました)。
 内部のリードやパイプ(音響部分)の実物を見せていただき、笛のように風で音が出来ることも教えていただいた。なるほど、頑丈そうに見えて、実は繊細な楽器なのだなという感想である。しかも調律も頻繁に弾くものは三月に一度、最低でも年に一回ぐらいは行うのだそうだ。そして二十年に一度のオーバーホールの際には、二千本のパイプをばらして清掃や点検を行う(神宮の式年遷宮と一緒の年回りである)。また弁と鍵盤をつなぐ棒がその重要な点検項目であるともいう。
 日本のように地震のある国は、こまめに調律をした方が良いと言うことで、メンテナンスになかなか時間のかかる楽器でもある。費用、手間、時間のかかるの楽器だが、その美しい音色や聖なる調べのためには必要なものである。オルガンビルダーさんの活躍には目を見張るものがあった。きっと知らないところで、またご活躍なのだろうと思うが、教示の件、感謝しみいる次第だ。
 店内で小市さんのお写真を横目に、軽く会釈をして、表参道のカワイ楽器ショールームを出る頃にはにわか雨が降り出した。こういうときに都内の地下鉄の駅は便利だ。ぬれずにどこかの駅に入ってしまえる。時代に取り残された私は「営団線の乗り場はどこですか」と言いかけて、駅員さんの不思議そうな顔に気付き、「あ、東京メトロ」と言い直す。もう何年も経ったのに切り替えの出来ないおじさんになりつつある(笑)。そういえば、私が子どもの頃は近所のおじいさん、おばあさんで国鉄を省線といっていた方多かった。その国鉄ももうJR、私たちの時代も最終コーナーなのかな? (笑)
 その後文章好きの皆さんと乾杯をして、午後七時には帰宅の途についた。こちらの主催者さんもいい人たちだった。
 帰りに少し講演中のメモの整理をしながら、オルガンビルダーさんとカワイの皆さんに感謝した。良い勉強になったことで、このブログの報告となった。そして帰宅後にカワイで音源モジュールのお話を聞いてこなかったことを思い出して、ちょっとうっかりだった。でもそれくらい内容の濃い楽しいお話だった。
 本来はこの記事、来月のアップ予定だったが、来月が忙しくなりそうなので、早めのアップにした。本日十一世紀のこの日1024年6月24日、階名唱法考案の日なので「ドレミの日」らしい(カワイのSNSに載っていたので詳細を調べてみた)。それではまたそのうちに。

カワイ楽器表参道ショールーム
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オルガンビルダーのお話の告知ボード
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オルガン講演会の資料
organbilderwebIMGP0191.gif

カワイ表参道 リンク
http://shop.kawai.jp/omotesando/

カワイ楽器 リンク
https://www.kawai.co.jp/

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